一般の大人向けに、絵本で英語が学べる『大人英語プライベートレッスン』を、ごく最近、開講した。
希望により、対面70分のレッスンだ。
予めいくつか挙げたテキスト絵本から選んでもらった最初の一冊は『Swimmy』。
リードアラウドをいろいろ知り始めた人は、難しそうと敬遠するかもしれないが、やりたいものが一番。
新入会の受講生は、普段から仕事で英語を使っている。
初めに通読してもらうと、なるほど、すらすら読める。
英文の解釈も問題なさそうだ。
さあ、これからなにをどう指導していくか。
「すらすら」読めるのだが、内容が伝わらず、読み上げる状態。
よくあるケースだ。
わたしは朗読が、フィルム写真の現像で印画紙を現像液につけたときのように感じる。
始め、ぼんやり、かすかな濃淡で現れる。
だんだんと濃淡がはっきりしてくる。
そして徐々に輪郭が現れる。
奥行きも見えてきて、立体的になる。
最後に詳細部分まで見えてくる。
多くはここまで。
芸術的・絵画的な味付けをして芸術作品にすることは努力と才能次第。
朗読も似ている。
受講生の第一回目の「朗読」は、ほぼのっぺらぼう。
物語がほとんど見えず、霧の向こう。
そこで最初のレッスンでの目標は、各シーンを嬉しい・悲しいに分けて読むこと。
シーンごとに、嬉しい・悲しい気持ちを作って読む。
要領がわかったところで、持ち帰り。
そして第2回目のレッスン。
驚いた。
第一声で、明暗が全部についている!
霧の中から、Swimmyの明るい気持ち・暗い気持ちの場面がぼんやり浮かび、ドラマの展開が分かる。
このあとは、細かい感情を文・文節・単語単位で考え、言葉や文に乗せる練習。
各シーンを自分の頭のなかに写して、それを見ながら言葉に合わせていくような作業。
その際、声の強弱・高低、読み方の緩急など、機械的な調整も少々。
そして、先日の第3回目。
表現をさらに深めるため、心から生まれる表現にするため、作品分析をしていたところ、
「大人の世界の一面を描いているようでもあって、いろいろ考えられる。絵本に、はまりました! 面白くなりました」
という発言があった。
そうでしょう?
ですよね。
Welcome to リードアラウド!