指導方法について:
親子で参加できる保護者向け英語絵本の講座・イベントでは、いくら「パパ・ママ向け」とうたっていても、連れの子ども(幼児)を少しでも楽しませて、保護者の感じるguilt(大人の話に連れてきてすまないと思う気持ち)を軽減したい。そこで、アクティビティが必須となる。
今回は、保護者が子どもにかみ砕いて説明すれば一部でも参加できる(一歳未満には本格的な参加が難しいかもしれない)アクティビティ「I Spy」を紹介した。というのも、イラストレーターの工夫もあって、今回の『Big Red Barn』ではとてもやりやすいアクティビティになるからだ。見開きページにあるものを英語で挙げ、参加者に「I Spy(ミッケ)」してもらう。しかし、参加者が知らない単語が出てきて、「ミッケ」と声に出せないことがある。たとえば、「donkey」は知名度が低い。「Weather vane(風向計)」も知られていないのでは。「ミッケ」は、大人たちがこっそり英単語を復習したり、学習したりできるいい機会になる。そこで、参加者が不安に思う単語にあたりをつけ、いかにさりげなく教授するかを伝授した。
さてもうひとつ、『Big Red Barn』のお楽しみは、農場の動物たちと、鳴き声(擬声語)だろう。模擬授業で、「動物オーケストラ」のアクティビティを行なった。登場する動物それぞれに、参加者を振り分け鳴き声を担当してもらう。鳴き声を楽器として、オーケストラを編成するわけだ。指導者が指揮者となって、音の高低や緩急、大小などを指示し合奏する。これは、アメリカのImprov.(即興劇)ワークショップで学んだシアターゲームの応用だ。どれだけ大人を解放させるか、指揮者としての熱さも求められる。
親子向けのリードアラウドでは、どれだけ「英語学習のためになった」「英語の本が楽しめた」という印象を保護者にいただけるかが大切だ。そのためにも、まずは自分の心を解き放ち、楽しむこと。さてこの日、参加した指導者のみなさんも、楽しめたかな。