クラスメートの力の付き具合や、授業の進み方から、自分は後塵を排しているなと子どもなりに自覚して、やる気を失いかけているのに指導者として気づくことがある。
そんなとき、学校のように大人数だと、なかなか対応ができず、そのままにせざるをえなかったり、あとで気づいて、無力感で落ち込むこともある。
幸い今のスクールは、超小クラスの私塾。これで対応できなかったら情けない。
英語を初めて2,3年、それまでの語数の少ない絵本から、そろそろ「readers」と呼ばれる、絵はあるが文量が多い本に移行中に、そんなやる気を失いかけている生徒の表情をみることがある。
そこでの対応方法、うまくいきそうな方法について、記しておきたい。
Sentenseを組み立てるゲーム、例えば Fast Phrase Game を使うこと。
以前このブログでも、元のサイトを紹介したが、その中でもこれは、ちょうど、文章が多くなって読解が難しくなった生徒に、文の構造、特に主語と動詞の基本を自然にわからせ、自信を取り戻させるのに効果がありそうなのだ。
英語がわからなくなるきっかけは、ゴロゴロしている。
欠席や聞き漏らし、ほんのちょっとのことが、きっかけになって、すぐに「ああ!もう何が何だかわからん!!」というような気持ちになることもある。
自分で乗り越えることもあるが、周囲がそこで放っておくか、手を差し伸べるかが分かれ道。
幼少から英語をせっかくやってきて、すぐそこまで「英語がわかる」「英語が得意」という道、すなわち英語読書に入る道が見えているのに、今、投げ出したら、もったいなすぎる…。
「ああ、もうわからん!」という気持ちになっている生徒なら、「PCゲームだから」と乗せて、最初は当てずっぽうでもやらせる。
オススメは、Fast Phrases でも「can/can’t」のセットを選ぼう。
しばらく勝手に操作していると、それまで絵本を読んできたおかげか、自分から文作りの構造がぼんやり浮かんでくるようだ。
最初手応えは、使われている3種の主語、SheかHeかTheyが、女性、男性、複数人で区別されることの気づき。先生の説明は、そのわかり始めた現場で口添えすると効果的。
次に、can とcan’t の違いは画面の絵ですぐに理解する。「できる」のか「できないのか」、canなのかcan’t なのか。間違えば、「ブブッー」とブザーがなるし、同時に誤答が赤字で表示される。
「ああ、そうか」など独り言も漏れ聞こえてくる。動物実験のようだが、わたしたち人間も、ブザーの音は不快で避けたくなる。すると正解率が高くなっていく。
次に動詞を選ぶのだが、あてずっぽうから、音声を聞いての判断や、消去法も駆使して、「あたり」が増えていく。動詞の語彙が、おかげで少しずつここで増える。
知らない単語も、何か印象的な「ひもづけ」、このゲームだとイラストがあるので、記憶に残りやすい。
また、よく考えられているのは、間違った問題は、何度か手を変え品を変え再度問うてくること。ちょっと執拗なそれをクリアして、初めて完了。
おまけとして、自分の名前をスコアランキングに登録ができて、「世界順位」(24時間ごと)が残る。これも、ささやかな動機付けになる。
ちょっと授業中の表情が暗かった生徒が、このゲームでいいスコアを出した日、なんだか晴れ晴れしていた。
「つまづき」が新鮮なうちに、こんなゲームもやるのはいいのかもしれない。