『Frederick』でリードアラウド:認定講座第三回報告その1〜リードアラウド研究会

本年度、Leo Lionniの『Frederick』を認定講師講座でとりあげたのは、そろそろ日本の子どもたちとこのくらいの英語の本を、楽しみながら読める時代かな、という思いからだ。

 

指導の対象は、英語学習経験3年程度の生徒だろうか。

10数年くらい前は、これを読んでわかる日本人の子どもは稀で、帰国子女やインターナショナル学校に通っている場合にほぼ限られた。

だが今は違う。

例えば我がスクールの小学生アドバンスクラス、英語を幼児期から学んで3〜4年。この生徒たちは読みこなせそうなので、本年度読ませることにした。

という時代になったことで、このくらい文学性があり、文字数も多めの英語絵本を、リードアラウドし、内容をディスカッションさせ、かつ楽しませる指導法と指導者自身の表現を磨くのが、今回の講座のテーマだった。

 

スタートラインは、「正確に読み下す」ところ。

世間は時に親切すぎて、人の成長を奪ってしまうことがある。英語の指導をしている人は注意が肝心。

「正確に読み下す」だけで「上手だ」と言われて、進歩の歩みを止めてはいけない。ここが出発点である。

その先に、表現がある。指導者の場合、それは全て生徒のため。

表現されるもののないノッペラぼうで正確なだけの読みでは、それを聞かされる方が

  1. 退屈する
  2. 内容がさっぱりわからない

これでは、学習に一番必要なやる気が起こらない。

だから、目指す双方向型授業も成り立たない。

 

ということで、まずは講座では表現演習をした。

登場人物たちの「台詞」を、生き生きとさせると、聞いている人に話が見えやすくなる。

そのために、本全体の分析と登場人物の分析だ。

どういう喋り方、声、雰囲気のある人か。

わたしたちが天才でない限り、ここを考えないと、行き当たりばったりになる。生徒は混乱する。

 

三者三様のキャラクターで台詞を読み分ける演習をした。

難しいのは、一文の中に3者の台詞(ナレーションもナレーターの台詞と考える)が混在するところ。衣装の早変わりのようだ。素早く、違いをくっきり別人のようになって読めるように。

そうすることで、聞き手が「あ、違う人の台詞」と一区切りできて、意味を推測しやすくなる。

読んでやる方に、この技術があるのとないのとでは、聞かされる子どもの理解度が全然違うのだから、読み分けの技術は磨きたい。

 

Frederickは何歳くらいの、どんな性格の、仲間にどう見られているネズミ?

ナレーションとは読み分けできるようになっても、どうもFrederickの台詞がおじいさんやおばあさんに聞こえる、なんていう違和感を修正する。

reproachfully(咎めるよう)に、とある他のネズミの台詞はどういう?reproachfullyという難しい語彙を、ある程度予想させる表現をつけた言い方で言えるようにする。

こういう演習は、「なんか違うな」と言ってくれる人がいないと、なかなか難しい。わたしが少しは、お役に立てたかな。

(づづく)