盛夏のワークショップ!
お暑いところをお疲れ様でした。
今回は、夏らしい絵柄の『All the World』で、表現方法の他に、指導方法をみなさんと考えた。
具体的で身近な言葉と、子どもには少し抽象的な言葉が、交互に使われている本書。
指導者として「手抜き」をするなら、この本の場合は、文字面を逐語訳的に教え込んでおしまい。
ただし、リードアラウド指導でそれは許されない。
文字に書かれていない文脈、表層に見える「ものがたり」(ある一家の田園での夏休みの一日)の文脈だけでなく、「Hope and peace and love and trust 」「all the world」まで大きくなっている文脈についても触れたい。それをある程度わからせてこそ、この本の出版の意味、そしてコルディコットオナー賞受賞までした意味にまで触れることになるのだろう。
とはいえ、子どもに発言を促しながら分からせるのには、指導者が本をよく読んでいる必要がある。
問いかけには、主題や読解に導く伏線が欲しい。意味のない、「どうでもいい質問」は結果的に子どもを飽きさせる。
考えさせる質問をするためには、指導者があらかじめ考えておく必要があること、これを再確認してもらう時間でもあった。
シーンごとに担当を変え、模擬授業をしてもらった。
教壇に立ってその場で、意味のある問いかけをする。
それから、予期できない生徒の応えをまずは肯定しつつ、過不足があれば調整して、読解や理解に繋げる。
子どもの言語(具体的な言葉)に慣れていないと、特に本書の大きな文脈の指導は難しい。発問自体が、難解になってしまう。
簡単な言葉で、難しいことを説明する能力が必要とされる。
助け舟を出しつつ、どうにか一通り「指導」を終えた。
ほぼ「助け舟」で川を渡った人は、今回、どこで何を導きたくて、どんな問いかけをしたのか、反芻しておくことが大切だろう。
書き出してみるといい。
付箋に書き出して、本に貼っておくのも一手。
ぜひ!
配布した大島なりの授業計画も、参考にして欲しい。「ああ、これか」と本文と照らしてみて。
最後、Hope and peace and love and trust とあるところ、
そして
All the world is all of us.
この締めくくりも、どう問いかけたら小学生あたりが答えられるだろう。いくつか、忘れないうちにメモして貼っておくといい。
何本も描かれている水平方向の描線。この描線が何本も集まって、小さな地域社会を引っ張り上げて、大きな世界に繋げているような、不思議な力を感じる最終場面。指導者としては、主題に触れながら生徒の心も引っ張り上げて、大きな視野で見ることにも気づかせたいものだ。