「面白がる気持ちを!」絵本リードアラウド認定講師講座[一日講座]【夏】報告 その2〜リードアラウド研究会

Go Away, Big Green Monster!

『絵本リードアラウド認定講師講座[一日講座]』のもうひとつの目的は、リードアラウドらしい指導方法を学ぶこと。

指導方法その1は、発問し答えさせながら進める双方向型。
まずは、模擬授業で、自分たちがいかに一方向型に傾いているか。その結果、生徒が参加する機会を潰していることに気づいてもらう。

教える代わりに、生徒に問いかけて答えさせて、導く。これが難しい。先生というものは、つい無意識に説明をしてしまう。つまり、答えを先に出してしまうのだ。無意識なことが多いので、模擬授業中にその「しっぽ」を掴んで、自覚することが大切だ。

たとえば、今回こんな場面があった。ひとりの先生役が、読解と表現の指導の際、「この緑の顔、見てどんな気持ちがする?」と発問した。
これがバツ。この発問のなにが問題か? 答えは「この緑」「顔」。この二点がまずい。

「これは、何色? 英語ではなんて言う?」「緑色なのはどの部分?」というふたつの質問をすっとばして、先生が最初から言っちゃった……。「それだったら答えられたのになあ」という子どもの声が聞こえてきそうだ。できるだけ、子どもが答えられそうな発問をし、答えさせてからどんどん次に繋いでいく。

「繋ぐ」というところで、指導方法その2。生徒の答えを「Yes, and」で繋ぐこと。「Yes」で肯定する。「and」で足りない情報や加え、深める情報を付け足したり、展開させたりする。

たとえば『Go Away, Big Green Monster!』の鼻が出てくる場面。生徒が「nose」と答えたあと、「これ、そうnoseだね。じゃ何色かな?」とふたたび発問する。

生徒A「green!」。生徒B「blueじゃない?」ここで指導者が「greenでもないし、blueでもない」と言うと、「No」になってしまう。「あ、greenにも見える。うーん、blueにも見えるなあ。」これで、AとBふたりを肯定した「Yes」になる。

「and」で、新たな情報を与え、学ばせる。指導者は「じゃ(and)、本にはなんて書いてあるかな?」と発問。生徒から「bluish – green」を導き出し、一緒に読み、形容詞「bluish」を紹介することが、「and」になる。

人の性とでも言うのか、つい「No」(「うーん」「でも」「そうかなあ」などの言葉を発したり、無言だったり、首を傾げたり、怪訝な顔をしたり)をしてしまうことが少なくない。模擬授業で、わたしたち指導者のこの否定癖の「しっぽ」をつかまえた。自分を肯定されることで、大人も子どももやる気が起こるというもの。『絵本リードアラウド認定講師講座』では指導者に、子どものやる気を起こさせる指導を学んでもらう。

指導方法その3は、参加を促すと同時に緊張をほぐし、結果、発言しやすくすさせるアクティビティの指導を紹介した。「Shake out」など、ほんの数分でうそのように気分転換と緊張をほぐす効果がある。実感していただけたのではないだろうか。指導者自身の表現を豊かにする演習でも行なったシアターゲームで、面白さや愉快な気持ちを感じたと思う。これが生徒にも効くはず。感情表現の練習はもちろんのこと、集中させたいときにも使える。

今回も、またまた盛りだくさん。やったことは、タンスにしまっておかず、どんどん使って欲しい。

英語指導者のためのシアターゲーム・ワークショップ

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