ボードブックとして、もともと赤ちゃん用に書かれた絵本は、言葉が少なく、ただ文字面を読むだけでは、なかなか表現を深められない。
たとえば『Dear Zoo』。
一人称の話者と、その発言に肉付けをして、より深いものにしてみたい。
たとえば、「I」を「俺」と呼ぶ40歳くらいの男性を想定した。そこそこ世間に通用する人だが、常識はずれなところがある。しかし、お人好しで、幸運に恵まれ、人にも好かれている。肯定的な好人物。
などと、設定。
この人のとわず語りとして、本文を考えてみた。
ひととおり、ごく普通の読み方は「楽勝」のみなさん。こんなキャラクター造りして、もう一段階上のリードアラウドに挑戦!
Dear Zoo,
p.2-3
俺さ、動物園に最近、手紙を書いたんだよ。
うん、(ひとりもんの俺に)ペットを1匹みつくろって送ってくれってね。
そいでなんと、送ってくれたんだ。それはいいが…、なんとゾウだったんだ。
たまげたね、でかすぎだよな。
もちろん、送り返したよ。
p.4-5
そのあとで送ってきたのが…、キリンだよ。
なにをかんがえてんだか。ありがたいけど、背が高すぎさ。家に入んないだろって。
これまた、返送。
p.6-7
そいでさ、ご親切だよね、また送ってくれたんだが…、これが、ライオンだった。
そりゃ獰猛で、危ないだろう。
お返ししましたよ。
p.8-9
それじゃってんで、大人しそうと思ったのか届いたのが…、ラクダ。
これが、めっぽう機嫌悪くてさ。
悪いけどペットにはねえ、お引き取り願ったね。
p.10-11
これならって送ってくれたのが…、ヘビだよ。
だめだよ、恐ろしいったらもう!
返送、返送!
p.12-13
こんどこそってか、来たのが…サル。気が合うと思ってくれたのか、だけどコイツがいたずらすぎ。
ペット不合格。ばいばーい、だね。
p.14-15
これでどうだって趣向を変えたんだろね、届いたのが…カエル。まいったまいった、跳びまくりでじっとしてやしない。
俺は可愛がりたいんだよ。しょうがないじゃないか、これもお返ししましたよ。
p.16-17
こうなると動物園のみなさんも頭を付き合わせてよーく考えたんだろね。次に送って来たのは…子犬。
いや、ぴったりだね。
いただくっきゃない。