子どもたちの「変身」!〜キッズブックス英語スクール

親子クラスの子どもたちの成長はまるで昆虫だ。つぎつぎと変身(生物学用語では変態)を繰り返す。

そんな変身、直近では親子クラスに半年弱前に入門したKちゃんがみせてくれた。入門時には、アルファベットをAからだったら口で言える、程度の英語だった。

ところが、今学期の最初のレッスンで『I Spy』を広げ、ミッケを始めた時のこと。語彙の確認のために表に絵、裏に文字だけ書いたフラッシュカードと本文を照らさせた。そこで、なんと字札のほうを見ながら、本文の単語を小さな指で指し確認しているではないか。lettersさえやっとの認識だったのが、今やwordsを見て、そこにある意味も認識している。大変身、その1だ。

その2。ちょっと前に、Cちゃんの「変身」があった。読み方が劇的に変わったのだ。日本語での会話の時に感情がこもった言い方があるのと同様に、英語のとくに会話文に感情をこめることが必要だと納得がいったらしいのだ。例えば、今リードアラウドをしている『Snow』でだったら、「It’s snowing!」という少年の台詞。それが、めっぽう旨い。子役で名優と評判の芦田愛菜さんかCちゃんか、というほど雪への憧憬や嬉しさ、子どもらしさがある。表情までも、そこに見えない雪を見ているようだ。

変身その3。本年度の夏休みが近づく頃だったろうか。春に小学生になったKくんから、そういえばお得意の台詞「いや〜だっ!」が聞かれなくなったことに気づいた。「さあ、次のページを読もう」とか呼びかけると、決まって聞かれた台詞だ。クラスでは、ちょっとギャグ化?していた台詞だったので、聞かれなくなったことに一抹の寂しさ(ああ、幼児時代が終わったんだなあ)も感じたが、これも大変大きな変身だった。そして、それまでも読解が鋭い子どもだったが、発言という形をとらないこともあったのが、手を挙げ発言の手順をふむ。それまで「答えたのに!」と不満げだった表情が、指導者にストレートに褒められるようになったせいもあり、発言後に満足げな表情が見らるようになった。

その4。これは1年以上前の変身だが、Nちゃん。声がとても小さかった。内緒話くらいの大きさだ。聞こえない、聞こえない、なんて言った?と問い詰めると、ますます声が消え入るようだったのに、発表会でBatの台詞「STOP!」を椅子に上がって言ったときあたりだろうか。叫び声を出せたのだ。声が大きくなっただけではない。本来の活発さが授業中に出るようになり、「もう一度読んで」とか言われても、大失敗したような悲しげな表情が出なくなった。今では、変身前のNちゃんが思い出せないくらいだ。


『Snow』は名作~キッズブックス英語スクール

絵本を表現豊かに読むこと(リードアラウド)を通して、英語を総合的に学ばせよう、というオリジナルな英語教育方針のわがスクール。その親子クラスで、今年の1月は『Snow』を読んでいる。

毎年のように冬になると、どこかでリードアラウドしてきた本だが、なぜ「毎年のように」なのかと言えば、あきないからだ。

いつも子どもが、それなりに食いついてくれるし、一緒にいる大人は「発見」があったり、「童心」を思い出せたり、何かしら楽しさを感じるのである。

これまで一緒にこの本を読んだ子どもは、100人近いかもしれない。

そのうち「雪がきらい」と言ったのは2~3人だったと思う。この本には、そんなたいていの子どものsnowへの喜びが描かれていて、子どもはとても共感する。

「It’s snowing!」

主人公の少年があげる喜びの声だ。

この台詞を、子どもはなんと上手に読むことか。それに比して、指導者も含めて大人の、この台詞の響きが悪いことといったら。雪が「やっかいで、降ってくれないほうがいい」というこれまでの経験からの現実的な気持ちが、どうも心を濁らしてしまうようだ。

どの子どもも、いつも、毎回、「It’s snowing! 」を素晴らしい表現で読む。その声を聞くだけでも、わたしたち指導者は

「ああ、この本にしてよかったなあ」と思う。

子ども万歳!

『Snow』万歳!

Months of the yearがなかなか覚えられない~キッズブックス英語スクール

何度か学んできたからもう知っていると思ったMonths of year。ところがどっこい、まだまだ定着していない。月が変わるごとに尋ねるようにしているけれど、なんだか自信がなさそうだ。

ええい、奥の手だ。歌ってみようか。

「何月」かは、この歌で。「何日」か、序数も難しいが、地道にクラスのある日にいつも復習するとしよう。

発問!発問!発問!〜リードアラウド研究会

リードアラウドらしい指導の鍵は「発問だっ!」と、思っている。

先日の絵本リードアラウド認定講師認定審査の、皆さんの模擬指導 では、いいところなのに生徒に尋ねずにスルーするのを見ては、「発問だっ!」と心で叫んでいた。

ブックハウスカフェで子どもたちとのリーダーズシアターがあった。本は『Night Animals』だったのだが、以下のような問いかけで全編を進めた。「発問するってどうするの?」と思う指導者みなさんの参考までに、順不同で一部だが、発問そのものを挙げてみる。「→」からは、子どもの答え。

表紙を見せながら「この本、何の本だろう」→暗いから闇。動物の本。

題を一緒に読んで「知っている言葉あった?」→ Night! 闇だ。夜のこと。Animals! 動物

それを受けて「夜に起きている動物だね。どんなのがいる?」→ひとしきり動物名を挙げさせ、英語でも言ってみる。夜行性でなさそうなものには、「昼のほうが元気かも?辞典で調べてみよう」とオープンにしておく。

この本に出てくる夜に元気に起きている動物は?」→(本に目を向けさせる。パラパラ全体を見せながら)こうもり(bat) クマ(bear)

登場する動物名を挙げさせ、不案内なものpossumについて、考えさせる。「これ、何だろう?」→monkey? rat? 挙げるもの順に英語名も教えるが、possumは出ない。

possumについてヒントを出す「どんな特徴があるかな?本の絵を見て」と内容に触れさせる→怖がり、すぐに気絶する?

「臆病で、危険だと思うと死んだふりもする、ネズミの仲間で木に住んでいる、possumっていう動物なんだ」とマメ知識を与える。

出てくる動物の鳴き声は?特徴は?」と、本文の内容にさらに入り、ところどころ書かれている鳴き声を見つけさせ、一緒にそれらしく読ませる。

今のwolfの鳴き声、どうだった?」→ イヌっぽかった。ちょっと声が小さかった。

「イヌの先祖だからイヌっぽいね。野生だから大きくしてみようか」その声から、登場動物の台詞の読み方を想像させ、やらせる。読ませる。shhhhなどから臆病などの特徴を挙げさせる。本文に本格的に入る。

「Big, hairy, long sharp clawsってだれの特徴?」→bear!

ちょっと集中を切れた時、いちばんウケそうな動物について尋ねる。「スカンクの特技は?」→おなら!

「怖くなった時、危ないと思った時、そう一発するね。じゃ、この話では何発したかな?」。これでもう夢中で、描かれた黄色いガスを探し始める→3発!ちがう4発!

じゃ、一発目のところ、なんで怖くなっちゃったのかな?」その場面にかかれている情報を読んだり、発見したり。→wolfの声を聞いたから。possumは気絶してる!

幼児から小学生3年生が混じったなか、秀逸な本書の描写に助けを借りながら、小学生の興味(「夜行性」などの科学的な用語や動物マメ知識など)を引きつつ、聞かせ、マネさせ、自力で読ませ、物語をわからせる。すわったまま約40分(残りの20分はリーダーズシアターのプレゼン)、子どもに質問を投げかけそれに答えさせつつ、関連づけて読ませる。子どもはちゃんと、ついてきてくれる。

こうした子どもへの問いかけが「湧いてくる」タイプの指導者でも、経験が浅いうちはそれなりに予習して、付箋紙で発問すべきページに発問の内容を貼り付けておくといい。湧くように発問できるようになるまでにかかる時間は、経験の多さや個人差がある。しばらくは付箋紙でいい。

発問が湧いて出てくるタイプとして、自分の頭のなかを見てみた。特徴なのかどうか、でもどうやら、ものを見るときに、いつも新鮮に感じるという態度があるようだ。発見しようという、好奇心?かも知れない。

(なんども読んだ本であれ)ページを見たそのときに「これって…?」という疑問が一瞬浮かび、「ああ、そうそう、こういうことだ」とこれまでの経験や知識で答えが出る。ときに出ないときもある。そのときは、すぐに知りたくなり調べる。それから、得たばかりの新知識に満足したり感心する、というパターンだ。

一瞬の「これって…?」という疑問は、だれの頭に浮かぶはずなのだが、それを認識するか、しないか。認識してその一瞬を捉えれば、それが発問そのものになる。自分の知っている答えで納得してしまうより早く、浮かんだ疑問を認識する。

ボタン押しゲームのような、一種の反射神経かも知れない。頭の中で、たとえば左から疑問が湧き、右から答えが湧くとすると、経験を積んだ大人になった今は左を省略して右のボタンを反射的に押して、それを生徒に伝えているのかもしれない。その自動化しているらしい流れを再び戻して、左のボタンを押す。反射的に押せるようにするのだ。

新年度のリードアラウド認定講師講座では、ちょっとここらへんの「反射神経」の演習を考えてみたい。

Night Animals

絵本リードアラウド認定講師講座[一日講座]

Pouch!

The Carrot Seed

The Happy Day

シャドーイング!?〜キッズブックス英語スクール

現在のキッズブックス英語スクールの小学生クラスの生徒は、4歳から在校している「リードアラウド生え抜き」生をはじめ、小学生2、3年生でありながら英語学習の経験が3〜4年あるベテランばかり。

親子クラスから小学生クラスに進級しても、絵本を使うリードアラウドの教育基本は変わらない。だが、絵本の内容、英語の難易度、文章の量が、北米の7〜9歳程度レベルとずいぶん上級になった。

表現を楽しませながら、双方向的にこのレベルの英語を学ばせ、英語力をつけさせるため、スクールでは「シャドーイング」を使っている。

シャドーイングとは、手本となる英語の声(音声)のあとを、ほんの数秒遅れて手本どおりに言う(読む)という、音声知覚の習得法だ。近年、語学の科学的な学び方に対する研究が進み、その効果が明らかになっている。

シャドーイングが、外国語の習得にどのような効果があるのか。第二言語習得の研究によれば、外国語を習得するための鍵となる以下の四点全てを演習できると言われている。

  1. インプット効果:聞こえてきた英語の音声を捉える
  2. プラクティス効果:耳や目から知覚した単語・表現・文を、声に出して繰り返す
  3. アウトプット効果:スピーキングの過程の一部の発話を模擬的に行う
  4. モニタリング効果:自分の英語の実態を把握する

このことが、脳科学や認知科学などの研究を踏まえて明らかになっているいま、使わない手はないだろう。これからも、スクールで積極的に使っていこうと思う。

こんな解説もある。参考まで。

体験レッスン