リードアラウド認定講師講座第8回報告その1『We Found a Hat』  ~リードアラウド研究会

課題書『We Found a Hat』をどうみなさんが「料理」してきたか、興味津々の今回。。先月の『Little Gorilla』は、古典的な物語ナレーションで、もしかしたらベテランたちは慣れである程度こなせたかもしれない。でも今回の本は、新人にもベテランにもチャレンジング。斬新な新しい時代の絵本だ。

2匹のカメの性格付けをしっかりしないと、ニュアンスが出ず、表現の代わりに説明だらけのリードアラウドになってしまう。

パート1、誰のそして独白なのか台詞なのか。声だけでなくニュアンス、発声まで違ってくる。クラスで子どもに読ませるなら、台詞を平均的に振り分ける目的もあって、独白をカメ1とカメ2のものに分けるのも一手だ。これはベテランHさんの素晴らしい発見だ。確かに、そうする方が表現が楽だ。

ただ、認定講師講座のレベルからすると、困難な道を選びたい。つまり、難しくてもカメ1だけの独白で「We〜」「We〜together」を続けてみよう。「a hat」なのに、「we」が「together」で見つけた…(ルー大柴さんの口調みたいだが)、そこがTurtle 1の深い悩みの始まり。ハムレット風。

ただし注意は、深刻にすると声が小さくなること。頭を垂れて喉を圧迫していないか、鏡に姿を映して修正が必要だ。視線は前方の遠方。すると深く、少しゆっくり、カメ1が哲学をしている声の雰囲気になりそうだ。おどけや照れの感情はいらない。辛い決断をする場面終盤、自分に言い聞かせる。辛さを滲ませたい。そしてゆっくりhatから遠ざかる空気を表現する。

注意を喚起したとたんにほぼ全員が修正できたところだが、確認のために記しておく。副題(例:PART TWO Watching the Sunsetなど)を読む声は、カメではなく中立の第三者、悩みと無関係な声で読むこと。

パート2、せっかくのsunsetの絵をまるで何も書いていないページのように飛ばす人が多かった。ちょっと待った。この1ページは重要で、これがあるかないかで、次の表現が変わると思う。砂漠のsunset、見事でカメも見とれているはず。わたしたちも、だからこの場面でsunsetを愛でるべきだろう。そして、We〜/We〜togetherとカメ1の独白がある。ここは素直に美しい夕日を眺めているのだろう。「きれいだな」という気持ちで読んでいいだろう。友と一緒に見るのはまた格別だ、という感じか。そして、ふと心配になるカメ1。くったくのないカメ2の受け答えに、さあNothingだ。演習したようにいくつか違う感情を載せて、どれがいいか考える。後ろめたい感じが、わたしはしてくるが、みなさんは?

いよいよパート3。夜、カメ1はすでにある悪巧みをしている声だろう。くったくのない健やかな声ではない。We〜、We〜together、ずるそうかも。パート1, 2の冒頭のニュアンスと違いを出せるか。全員、工夫の余地ありだった。会話部分の台詞、Are you almost~、Are you all the way ~は、カメ2との距離が違っている。2番目の台詞はカメ2からさらに遠ざかっているので、声を大きく張り上げたらいい。また、asleepのカメ2、眠い表現の挑戦は多くが試みていた。眠気が強いカメはNさん。表現豊かで楽しめるが、「夢を語る」にはもう少し覚醒したカメでいて欲しい。二匹でお似合いの帽子をかぶる夢は、悪事を働きそうだった友を更生させるほどのインパクトがある。早口ではなくゆっくり、多少朗々となる。

ここで、You〜. You also〜と対照している台詞を一匹が畳み掛けるように言っているところから、やはり独白部分のWe〜が繰り返される台詞は、ひとりの台詞かな?と今、また思う。

さて、最後の台詞だ。We 「both」/have 「hats?」と、bothで息が止まりそう?そして、信じられないように初めてhatsと複数形。この「s」は例外的に強い。オチが落ちなかったみなさん。練習してみよう。



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