カルチャーセンターでシアターゲーム〜リードアラウド研究会

スクール認定講師講座(ワークショップ)ではお馴染みとなっている、リードアラウドならではのアクティビティ、シアターゲーム。

名前からも想像がつくように、演劇のトレーニングとして始まったもので、「Improvisation games」と呼ばれることもある。

数あるシアターゲームのなかからリードアラウドでは、集中力を高めるものと、表現を豊かにするものを中心に演習としてきた。

実は、そのほか山ほどあるゲームのなかに、日本人の英語学習に役立つものがたくさんあって、使わないのはもったいないと思っていた。

『大人英語セミナー』では、少しずつ試していたが、ついに朝日カルチャーセンターで全部シアターゲームのクラスを設けさせてもらった。(『即興的英語力を磨く』

このクラスではシアターゲームのなかから、とっさに言葉を出す、即興で話を繋ぐ、物語を語るといった、相手を反射的に肯定して自分の意見を加えるゲームや、高校まで英語をまじめに学んでいる多くの日本人の頭のなかにすでにある英語の「在庫整理」ができるようなゲームを選んだ。

まだ生まれたての小さなクラスだが、先日は理想に近いクラス運びができた。

まず「Shake out」というちょっとした運動で筋肉と口をほぐし、表現活動の準備を行う。
次に「Category snap」で、カテゴリ(例えば「動物」)に属す単語を滞りないよう順に挙げる。
初めはいいが、だんだん頭を絞らないと出てこなくなる。そこをさらに絞る。
いくつかカテゴリーを変えていくうちに、単語も口から出やすくなる。

そして「association game」という連想ゲームでは、相手が言った単語から連想する別の単語を挙げていく。
これで脳の別の「小部屋」に明かりを灯す。
少し明るくなったところで「disociation game」。
今度はまったく関連がない単語で繋ぐ。
これは簡単そうでいて、意外と苦手な人がいる。
関係ない言葉をただ言えばいいと思いきや、脳の準備ができてないこともある。
関連ある言葉ばかり浮かぶこともある。
これらを断ち切る演習だ。

associateとdesociateで頭を回転させたあとは、「One word at a time Story」ゲーム。
この日は「桃太郎」を、一度にひとり一語だけ発することで繋いでいく。
相手が「once」と言ったら、次の人が「upon」だろうと繋ぐ。
これを延々、繋げて桃太郎の話にする予定だったが、話が牛の歩みで中断。
次回は、冠詞「a」「the」を勘定に入れず進行を速めたい。
でも今回、相手の言わんとしていることを推し測ること、それをある方向へ発展させることを、グループの連帯でやるゲームと認識できたようだ。
これまた脳の別機能を意識させられる。

最後、「Tell a Storyゲーム」では、接続句「once upon a time/everyday…/but, one day」などを冒頭に持ってきて、前の人の話をつなぎ、最後に「And, ever since then…」で話をまとめる。
これまた思わぬ発展があり、感心したり大笑いしたり。

参加者は、普段、使わない脳の部分を活性化した効果だろうか、晴れやかな表情で教室をあとにした。

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