大人のリードアラウド、上達の秘密は?〜リードアラウド研究会

英語絵本のリードアラウド、一般の大人向けクラスでも、カルチャーセンターでも、みなさんの朗読が、(わたしの印象では)見違えるほど上達している。この上達、どんな指導が効果をもたらしているのだろうと、改めて考えてみた。

受講者は、もともと学生時代に大学受験を突破する程度まで英語の勉強をやってきたひとたちらしい。

日本のこれまでの「受験英語」はなかなか立派なもので、受験の英語、高校3年までの英語をある程度まで頑張った人なら、文法は大抵のところは頭に入っている。なので、絵本の本文の意味は「かなり」わかる。絵本で使われる語彙は意外と受験英語にカバーされていない場合も多いため「かなり」で、正しく意味がとれるのは6、7割になるかもしれない。それはそうなのだが、でも一番の問題は、音読の力。

ほとんどの人は「棒読み」で、表現のないただの読み上げができる程度で放り出されている。「棒読み」は、読んでいる文の意味がわかっていないという証拠でもある。今、英語圏の小学校から中学高校まで、英語教育の目標として、

Fluent reading、音読の流暢さというものが挙げられている。oral interpretationともいわれるもので、内容がわかっていればおのずと音読したときに表現が豊かになる。その表現ある読み、流暢さの程度を聞けば理解度がわかる、という認識。これが教育界の常識となっている。

にもかかわらず、日本の多くのわたしたちは、「棒読み」でも発音があっていればよしとする英語教育を受けてきた。

リードアラウドの朗読指導では、内容理解とそれを音読に反映させる読み方を指導する。文が表している内容や感情を言葉、句、文に乗せる直接的、具体的な演習をする。この指導法がどうやら効果的なようである。

人間の脳というものは、実に不思議だ。母語でない言葉に感情を吹き込むには、実際に母語で感情を動かしてそれを時間をおかず英語に反射的に移し替えるという、ほぼ運動みたいな演習が必要なようだ。

セミナーやカルチャーセンターでのみなさんの上達が、少なくともこの効果を示してくれているようで嬉しい。

コメントを残す

CAPTCHA