『Counting by 7s』を 読み終えたうえで、お勧めのわけを考えてみたい。
・すいすい読み進めた。
1 chapter が10ページ前後(1ページに25行)で、息切れしない。区切りがよく、一時止めるのにちょうどよく、再び読むときも「どこで止めたか」探してイライラしない。
・難しい語彙、長い文が少ない。レクサイルで言うと770L。
ところどころ、主に「天才」的な頭脳の持ち主の主人公のキャラクター表現として、科学的な語彙や少々高尚な難しいもの使われているが、別にすると、英検2級未満で準2級以上の人なら、不案内な単語が1ページに5個はないと思う。
科学的な単語は記号だと考えれば、文の内容理解はそれによってあまり邪魔されない。
・登場人物たちが興味深い
主人公ウィローはhighly giftedな12歳の少女で、園芸おたくで不登校。愛情溢れる里親のもとで育てられていたが、交通事故で両親を一度に失くす。
その他、
親友となる女子高校生マイは、しっかりもののベトナム移民二世。マニキュアサロンを経営している逞しく情に厚いシングルマザーと、学業不振でTVばかり見ている兄がいる。
これらに関わることになるのが、学区のカウンセラー。ウィローとマイに出会いの場を意図せずに提供。生きがいも自信もない中年に突入したアメリカ男性。ひょんなことからウィローとマイ一家と同じ屋根の下に住むことになる。
「居場所がない子」「里親制度」「エネルギッシュな移民とアメリカ社会」「夢も希望も見出せない人」「やる気のないティーン」などのテーマが興味を呼ぶ。
そして、もちろん大切なのが、物語。
・内容がドラマチックに進行する。
始め、どんどんと不安が募り、はらはらする。
主人公の不運と悲しみに、また周囲の人物の優しさやがんばりに涙も。
先を知りたくて、ページが進む。
・ハッピーエンドが待たれる。
その予想があって、安心して先を読める。もっと先を知りたくなる。早く安心したくなる。