スクールでは、「ミニブックス」を一冊ずつ、ひとりひとりのペースで読んでくることが宿題になっている。
そして、レッスンのときに、家庭での練習の成果を披露する。
Fluentに読めたら「合格シール」がもらえ、新しい本に進むことができる。
みんな驚くほどきちんと読んでくるので、
「いっしょにちょっと速く読んでみようか」
「くっつける言葉はくっつけて読んでみようか」
という、ふたつのおさらいだけで、合格になることも多い。
ところで、このふたつ、いったいなにを指導しているか。
英語学的に言うと、「linking(リンキング)」と呼ばれる、英文中のふたつの単語が連結して発音が変わる現象のことだ。
非常にゆっくり読む場合には起こらないが、英語圏の自然な速さ(日本人には速いと感じる)で読んだり言ったりする場合には、必ず起こる。
これに則って読もうよと指導しているのだ。
リンキングを学ぶことは、非常に大切だと思う。
それは英語を苦学した自分の経験に基づく、英語指導の信念のひとつでもある。
高校卒業後、英語圏で英語の補習を受けたときに、しょっぱなに教えられたのがこのリンキング。
卒業までさぼらずに英語の勉強をしてきたつもりだったが、日本の高校ではまったく習わなかったことだった。
この発音の変化現象を知っているのと知らないのでは、第一に聞き取りの力(リスニング)が違ってくる。
初めてリスニングのテープを聞いたとき
「わからな〜い!」
とわたしはパニックになった。
似たような経験がある人もいるだろう。
英文が衝撃的に全然違って聞こえたのは、リンキングのせいだったと、いまでは思う。
そこで、だ。
スクールでは、わたしのように苦学して遠回りするようなことはさせない!
- 英語圏のナチュラルスピードで
- リンキングさせて
読むよう積極的に指導している。
こうしていれば、最初に聞き取りが、次に読み方、話し方が、自然になってくるはずだ。
(リンキングの例や約束について→つづく)