実力者揃いの我が講座(ワークショップ)受講者のみなさんである。
12月のワークショップのしょっぱな、『Crow Boy』を二人組になって、パートナーにそれぞれリードアラウドをしてもらった。
本作長いが、それぞれ集中して、かなりの仕上がりになっていた。
この各自の自分なりの仕上がりに、客観的な視点を加えるのが受講仲間の仕事。講評し合うことが、大切になる。
そして、講座を主宰しているわたしの耳や目と、指導力が試される。
本から聞こえる声に耳を澄ます。
と、ところどころ、しっくりこないところは、耳にひっかかり、表現が平坦なところでは情景が浮かばないまま、とびとびの物語展開になる。
しっくりこないところは、個別で指摘することもあるが、全体でnarratorのキャラを確認し、物語の場面場面をその「I」の目で見直すと、じきに改善される。
さすがの力だ。
ところどころ開いている表現の平坦な「穴」は、指摘されると直すのが効率的だが、こういうのは録音で聞くと自分の耳も肥えるのでなおいい。
表現が平坦なところが見つかっても、どういう表現をしていいかわからないこともあるだろう。
読解をし直してみること。
生徒に質問するときのように、自分に読解の質問をしてみる。
その肩代わりが、この講座でもある。
みなさんは、もう自分のなかに答えを持っているので、それを表に出す作業だけ。
表現の演習をしたあとは、どうやら心が開かれるようだ。
みなさんの表現が、わかりやすく、自然になるのは、いつも驚きだ。ワークショップ主宰者冥利につきる。
さあ、1月の発表会までに、どこまでこの作品世界を作り上げて来られるか。