(その1からの続き)
もともと朗読の表現力も指導力もある皆さんだが、リードアラウド指導者としての力に磨きをかけようと、この日の朗読力演習のメニューはこうだった。
volume
それに続いて、
pitch
rateの演習。
『A Big Guy Took My Ball』では、登場人物(動物?)Piggie, Gerald, Whaleのキャラ作りが欠かせず、その要でもある。
声を3種、幼い聴衆にもわかりやすく作る。
まずは、高ー中ー低のpitchに分ける。
身体の大きさで分けるのが手っ取り早い。
これでの演習。
Piggie-Gerald(Elephant)-Whale 、みなさんもそれなりに変えて自習してきていたようだが、はっきりここでもう一度意識して、高低差を大きくすることで、聴衆によりわかり易くなる。
次は、意外と意識していないのが読むときの速さの個性。
rateである。
早口からのんびり口調まで、この登場人物を当てはめる。
ここでも、一般のイメージでPiggie-Gerald-Whaleと急→緩とした。
声の高低だけでは分けにくく感じていたゾウとクジラが、クジラをもっとゆっくり喋らせると差が大きく、わかり易くなった。
さあ、これらの演習後は、リードアラウドらしい「声の3D化」とでも呼ぼうか、キャラの身体作りの演習だ。
全員がPiggieになって歩く。
次にGerald。
そしてWhaleも、ここでは歩く。
部屋中にみなさんが広がって、それらしく歩いている様は、なかなか壮観だ。
そしてこうした身体感覚が、皆んなに「形状記憶」されてから、ゲームだ。
一斉にこの3種のうちどれかになったつもりで歩く。オニになったひとは、種類別にみんなを分ける。
それらしさが足りないと、ブタなのにゾウのグループに入れられたりしてしまう。
このシアターゲーム、
指導者自身の表現に厚みを出してくれるだけでなく、
これそのものを子どもたちにやらせるのも、楽しいアクティビティになる。
初級者には、3種の動物名などを聞いたり言ったりする機会になるし、上級者には表現練習そのもの。
(つづく)