パステルカラーの色調のメルヘン、でもただの夢物語ではなく、生きる喜び、幸せのありかなどを考えさせてくれる、さすがKevin Henkes!という絵本、
『Waiting』が課題書だった。
朗読の技術としては、引き続きCharacterizationに焦点を合わせた。
だれが語っているのか。
語り手を想定しその人になって読まないと、言葉の力が弱く、聴衆も集中できない。
言葉の力を強くする。
そのためには、分析が大切。
テーマは?
背景は?
構成(序破急)はどうなっている?
語り手はどういう人?
これらをディスカッションし、語り手をここでは3様想定して、そのどれかで統一して本を読み直す作業をした。
頭で考えずに、身体にさせる。
このほうが自然でよい表現になり、おまけに即効性がある。
これは、発見だった。
一部の天才を除き、たいていの人はすぐに自然な「役作り」ができず、たいていは観念的になる。
これが、いわゆる「きもい」演技。わざとらしい演技?
「きもい」を「気持ちいい」、「わざと」を「自然」にするには、ながい訓練…ではなく、
一般のわたしたちでも、身体から作れば、かなりいい線まで行けるものだ。
これはわたしが、シアターゲーム(インプロ:improvisation)で学んだ重要なことのひとつだ。
ということで、
ここしばらく、ワークショップのみなさんとキャラ作りは身体から始め、声、そして場面作り、この3ステップを踏んでやっている。
分析でちょっと頭を使ってから、次に身体をはった(?)演習を、この日も行った。
そして、ワークショップの最後にもう一度ひとりずつ朗読…
おお!
お互いの講評でもみんなが挙げていた感想だが、大違いのいいものになったのだ。
一言で言えば、
どの朗読も、よりドラマチックになった。
その要因は、序破急の認識で、緩急や強弱が、適したところに適した度合いでつけられたことのおかげ、これがひとつ。
もう一つは、ナレーターの視点がはっきりしたこと。
「だれ」がナレーターなのか。
これが決まり、そのキャラクターの視点で物語を見ながら、語るように読めるようになった。
はっきりと良い方向に、みなさんの朗読が上向くワークショップ。
これは、わたしも本当にやりがいがある。
みなさん、いつもありがとう!