(4月の認定講座/ワークショップ報告の「つづき、その3」も兼ねての投稿です)
リードアラウドで朗読が上達していく過程に、ひとつの特徴的過程がある。
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(一般の人の場合のBEFOREはここから)
0. ひっかかったり、読み間違えたり、ぎくしゃく、句切りも意味とは関係なく切って読む。または正確に読もうと平坦に読む
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(英語指導者の場合のBEFOREは「0」を飛ばしてここから)
1. 正確に読める(英語の先生のように、丁寧に読み上げられる)
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2. メリハリが出てくる。まだそれが、まだら
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3. 集中力が出て、すべてに目が届きメリハリが感じられる
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4. メリハリがパターン化、類型的または白黒だけの2パターンに
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5. 解釈に基づいた人物表現、語り口を意識したナレーション。細やかなグラデーションが感じられる
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まずは、目指せステージ「3.」!
めでたくたどり着いても、喜びはつかの間、すぐ先に恐ろしい「4.」にはまる。
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ここからが、苦しい。
いいかげん「ベテラン」と呼ばれる域にあり、
一般的には、褒められてしまう。
ここで、差がつく。
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狭い英語教育コミュニティでの賞賛を鵜呑みにするか、どうか。
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こうなったとき、更に上のステージに上がる気持ちがなくなるのが恐い。
ここで必要なのは、客観的で率直な、耳のいい人からの講評。
リードアラウドをやっているみなさんは、こういうaudienceになろう。
そして欠かせないのが、厳しい自分の耳。
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自分の朗読を録音し、客観的に聞くこと。そういう耳を育てること。
上質な芸、世の中でかなりのお金をとって公演と呼ばれるものをやっている人たちの芸を聞くこと。
落語家でも演劇者でもコメディアンでも生は最高。
難しければ、欧米圏のトークショーのホストの語りでもいい。
聞き流すのではなく、耳を凝らす。
すると、今まで気づかなかった微妙な声のvariablesが聞こえてくる。
それぞれの工夫が見えてくる。
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先日のワークショップではMさんの朗読で、ステージ「4.」からみごとな「5.」への変化を見ることが出来た。
贅沢を言えば、短時間で変化させられるのだから、最初からなるべく「5.」に近い仕上げを。
Mさんに期待してしまう。
別のベテラン、Hさんは、「4.」にはまらず、かなり「5.」に近い仕上がりで最初から臨んだのはさすが。
Rさんは、典型的な「4.」で、エネルギッシュに仕上げて来た分、それを消すような「5.」への道が、難しい。
まだ「5.」の細やかなところを聞けてないのかも知れない。
「4.」を到達点だと思っていませんよう。