リードアラウドは指導者の朗読力を高めるのと同時に、指導力も高めることを目的としている。
指導力ということで、本年度から使い始めた言葉、
Active Listening
積極的に聞くということだが、その演習として、Paraphrasing演習を行った。
その報告の前に、タイムリーな新聞のオピニオン記事をご紹介したい。
4月18日の朝日新聞の「耕論」ページ、表題は「相手の話、聞こうよ」。
リードにはこうある:
国会を見ても身のまわりにも、海の向こうの米国でも、人の意見を聞かずに自分の言いたいことだけ言う人、増えていませんか?
深呼吸して、相手の話を聞き、対話する、そんなことから始めませんか。
3人の識者のコメントのうち、やはりなんと言っても(?)、わたしたちに役に立つのは落語家、三遊亭白鳥さんのもの。
こんなことが、わたしの「アンテナ」にひっかかった。
1.初めは受けませんでした。
「何で笑わねえんだ」ってネタをぶつけてました。
〜(中略)〜お客を知ろうとしていませんでした。
2.相手を知るってどういうことか。
たとえば、自分が思っていることを言われると、気持ちがほぐれるものです。
「不安でしょう」
と気遣われると、
「こいつ、わかってんな」と。
3.(高座に上がって最初に、いつもお決まりの冗談を言うと)これで僕の認知度が分かります。
受けたら、今日は僕の話を聞いたことのないお客が多いな、と。
相手を知って、それに合わせて話します。
4.お客が話の世界に入りやすいようにするのが、僕のやり方です。
〜中略〜わかってもらうのが一番です。
5.(国会の論戦は、不思議ですね。だって)高飛車だったり、ごまかしたり。
〜中略〜選ばれた人間の話を聞けって感じばかり。
(国民という)お客が見えてないんじゃないですかね。
6.僕は高座を全部録音してます。
寄席が揺れる笑いが残っていることもあるけど、僕の声とチクタクという時計の音しか聞こえないときがある。
そういうときです。
お客を知れなかったのか、ネタが分かりにくかったのか。手直ししていくと、受けるようになる。
あきらめちゃだめです。
↓
みなさん、すごいと思うのでは、ないだろうか。
何にって、リードアラウドの指導者の心構えは、落語家と同じってことに。
この白鳥さんの話の題は「お客の存在見えているか」。
わたしたちに思い当たるところだらけ。
↓
少々、具体的に挙げるなら…
リードアラウドを始めるときに、「どきどきしてる?」
「でも、平気。いっしょにやるからね」
などと、語りかけるようにしていること。
→これは白鳥風に言えば「こいつ、分かってるな」と思ってもらうこと。
「リードアラウドって知っている人?」
「わたしの顔をここで前に見たことある人は?」
と冒頭に聞く。
→「お客を知る」ことのひとつ。
知っている子どもが多いときと、少ないときで導入を変える。
と、ある落語家の心得と、わが講座のひとつのテーマ、active listeningを関連つけようと書いていたら、長くなった。
「報告」は、つづく。