2016年度のスクール最終日は、恒例の発表会。
英語絵本リードアラウドのオンパレードだ。
年齢的に、静かに相手を聞くより、自分でやるほうが退屈しないだろうと、ほとんど全員が出ずっぱりのプログラムだった。
なかでも、この春に1年生になる女子たちの成長が目覚ましかった。
いつも恥ずかし気で、小さな声と押さえ気味の表現だったふたりが、そろって大変身だ。
出だしからはっきりした声で、聴衆をはっとさせる。
また、「happy」と言うときなど、笑顔つきで「ハッピー!」って。
指導者を、実に幸せな気持ちにしてくれた。
それから、
『Clocks and More Clocks』で、
時刻を告げる台詞。
もぞもぞ言われては、聞いている人に何が何だか分からない。
そこを、
Two minutes past three!
ああ、なんてcrispでいい声。
いやはや、お見事。よく仕上げてくれた。
人間、小学1年生を前に、立派になるものだ。
小学校入学までまだあと1年以上ある年齢の生徒の場合。
どうしても体力と集中力に限りがあって、たまたま疲れてしまっている時間帯とスクールの時間がぶつかると、実力発揮がうまくいかないこともある。
この発表会は、どうもいい調子とぶつからなかった。
年少者にありがちな、そういった調子の波について、これからの1年で目覚ましい成長を見せてくれるはず。
調子がいいときの、英語の感度のよさをよく知っている。
次に飛躍して、驚かせてくれるだろう。
リードアラウド「生え抜き」のひとり、
親子クラスを卒業とした生徒に場合。
彼は、いつも発表会を機に力が飛躍的に伸びてきた。
今回も然り。
絶対にこの1週間、家族による「特訓」あっての上達だと思うのだが、本人はすごく涼しい顔で、登場だ。
まるで、以前からすらすら読めていたような「ドヤ顔」で読むから愉快だ。
それにしても、その上達度ときたら!
舌を巻く。
また、指導者の言うことを聞いていないようで聞いていることがわかる。
指導した読み方の修正も、ちゃんと入っているのは、本人の力。
文末、ピリオドのある語なのに、語尾が上がるくせがあった。
文の終わりなのに、それが終わって聞こえない、という大問題。
それが、発表会の日、見事に修正されていたのだ。
感激!
それから、これまでネイティブ並みに正確に読めてはいても、ただ読み上げているだけというところもあった、ひとりの生徒。
この1年で、リードアラウドの楽しみかたが「癖」になった?
表現がとても自由に出るようになったのだ。
読めるので、ナレーションや台詞の多い役をやったが、表現が生き生きしている。
本領発揮の『Elephant and Piggie』シリーズのPiggie役。
これまで、指導者たち何人もがこの役に挑戦して来たが、彼女ほどの自然さがだれもだせていない。
絶品だ。
そんなこともあって、もうひとりと組ませて今回はダブルキャストにしてみた。
大失敗。
彼女ののびのびとしたいい表現が、もうひとりを彼女が気遣ったために押さえられ、逆に平坦にさせてしまった…。
これはmy mistake!
ごめんなさい!
ダブルにしたつもりが、ハーフになってしまった。
教訓を得た。
来年度にも同シリーズを入れたので、今度は名演技をみなさんに堪能して頂こう。
みなさん、人はこんなに成長するのだという姿を見せてくれてありがとう。
生きることの素晴らしさを、噛みしめています。