リードアラウド、もしくは「声に出して読む英語絵本」と称してワークショップやカルチャーセンターの講座を受け持ち、大人のみなさん、それも「英語秀才」たちに接する機会が多い。
幅はあるが、英語検定だったら2級以上、ひょっとすると1級の人もまじっているかもしれない。
学生時代に、しっかり英語の勉強をしたみなさんが、どうも「もっと」を目指して集まって下さるようだ。
そういったみなさんに、
英語を母語としない子どもたちをも飽きさせない、そしてそれなりに内容をわからせる英語絵本の読み方を、畏れ多くも、指南するのがわたしの役目である。
そこで、これまでにかなりの数のみなさんに接してきて、ある「発見」がある。
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みなさんの読み方には、ある共通点があること。
そしてその共通点とは…
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Vocal varietyを磨くだけで見違える程、上手になる!
ということ。
たいていの場合、自己流の読み方をしてもらうとこんなだ。
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・pitch(音の高低)はほぼ平坦
・tone(調子)にほとんど変わらす一定
・volume(大きさ)は一定的
・rate(速さ)は均一
いい方を変えれば、
安定したpitchで、
終始落ち着いたtone、
はっきり聞きやすいvolumeで、
一語一語が聞き取れる、ディクテーションしやすい均一な速さ
で「聞きやすい」ー
と言う人もいるに違いない。
だから、たくさんの英語秀才たちが、この読み方なのだろう。
おそらく、日本の学校で推奨されている?
ところが、である。
この読み方。
遠慮のない子どもたちの前で、またはランダムに抽出した(英語秀才ばかりではない)聴衆の前で読んでみると、こんなことに。
彼らの顔にこんな表情が…、
つまらない。
わからない。
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なぜだろう?
なぜ、つまらなくて、内容も伝わらないのだろう。
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考えられる理由を、書き出してみる。
・文の流れやtoneに関係なく、一語一語を均等に、辞書の音声機能を再生したようなニュートラルな感情で読んでいる。
または、感情を入れても、ワンパターンである。
→ 心に響かない。起伏がなく飽きる。
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・一語一語を独立的に、無機的に読むので、単語個々は「聞き取りやすい」。代わりに、文の流れやニュアンス、構成がわからない。
→ 全体の感情や動きや登場者の様子が感じられず、想像力がわかない。単語は知らないので、ちんぷんかんぷん。
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文が本来伝えたいのは、意味や情報、そこに表される感情だ。
英語がほとんどわからない子どもや大人にも、読みの魅力と絵の力で、説明や逐語訳しなくとも英語絵本の内容は、ある程度伝えられ、面白いとまで言ってもらえるものだ。
英語秀才のみなさん(リードアラウドに興味を持って下さっている方はほぼ全員)は、だからあと、これだけ。
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Vocal varietyを磨くだけで見違える程、上手になる!
↓
・pitch(音の高低)
・tone(調子)
・volume(大きさ)
・rate(速さ)
これらの要素を、自在に変えられるようになる練習さえすればいい。