絵本リードアラウド講師認定講座第9回報告〜その2

本年度最後の課題書は、絵本好きだったらきっと一度は朗読してみたいと思う一冊。

普段のリードアラウドは、英語が母語ではない子どもたちに退屈させないような、分かりやすいアクションのある、言葉が少なめの本だ。

だが、絵本にはしっとりと、またはファンタジックな、文が多めのものもたくさん。

子どもでなかなか、今回の本まで分かるようになるのは難しいが、大人には指導する機会があるだろう。

そのときのために、自分たちの朗読をできるだけ磨こう。

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さて、今回のワークショップで感心したのは、各自が自習してきた朗読の完成度の高さ。

そこからスタートが切れるのが、とても嬉しかった。

この日、まずは、即効で見違える(聞き違える?)ようになる演習をした。
         
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それは、会話の部分のキャラ造型。

みなさん予習で、それなりに登場人物を造型して、雰囲気を作る試みはしていた。

だが、それは主観的で、第三者には違いが分かりにくかったり、違和感があった。

こういうときは、仲間がいると本当に助けられる。

ワークショップのいいところだ。

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自分のは分からなくとも、仲間の朗読なら、いい悪いが聞き分けられるのだ。
それを聞いて、自分の朗読を修正できる。

声のpitch、高低。
これで表現に変化をつけるのは自然にみんなやれるようになったか、やろうとする姿勢がみられる。

だが、まだ緩急で変化をつけるところまで、いっていないようだ。

「緩急を変えてみよう」

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そう指摘した途端に、それまで混じっていた車掌とサンタの声が、はっきり分離したのは、みなさん、大したもの!

これは、機械的な声の分別だが、質的な分別は、まだなかなか難しい。

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父と母が最後の場面に登場するが、男女の違いは表現できても、実在しそうな人というリアリティが足りない。

夫婦で、同じ社会クラスや価値観の男女を、声で表現したい。

突飛な演技は得意だが、どうも「普通」が苦手な人。
とっぴなキャラ作りには苦労するが、ここの普通の父母を、すらっと読み分けてしまう人。

いろいろいる。

ワークショップで、みなさん個々の学び方は、とても興味深い。

ところで、本書で、まっさきに際立てたい声は?

車掌だろう。

この声は、人となりから作らないと薄っぺらになってしまう。

車掌は、異次元の人でもある。

『不思議の国のアリス』でいえば、ウサギだ。
トリックスター。

(高倉健の『ぽっぽや』のイメージにしたら、ちょっと違う。)

造型の工夫はしがいがありそうだ。

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また、まだみなさんがあまり意識していない要素に、遠近というものがある。

遠くから聞こえる声と近くの声。

読み分けよう。

遠くを見て読めば遠くの声に、近くを見て読めば近くの声になるから不思議だ。

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本書の全体のイメージは、壮大でファンタスティックだが、とてもユーモラスなところがある。

それは、ココアを飲むところ。

そこに気づいて、違った空気を表すことに成功した人は、まだいなかったように思う。

映画を作った人は、ここを見逃さなかった。

See?
発表会までに、みなさんもユーモアを表現してみよう。

(つづく)

映画The Polar Express~リードアラウド研究会

映画The Polar Expressを途中まで見た。

完全主義者で有名な原作者のチェックも入っているだけあって、イントロはそっくりそのまま原文どおりのナレーション。

あちらこちらに、原作そのままの文が使われていて、役に立つかも。

トム・ハンクス、自然でうまい。

気取らず、中年らしい、でももしかしたら子どもの心を持つ人かなと思わせる声と表現だ。

このナレーターやコンダクター、そしてサンタもまったく別の人のようだが、ハンクスがすべて声を担当している。

ハンクスの台詞術、キャラ作り、凄い。

特にコンダクターのキャラ造型。
口先だけでない、身体がともなった全体的な存在感。

しゃべるときの口の開き方、空気の出し入れ、口調も全部なり切り。

まだまだ芸には先があることを、思い知らされる。

ところで、列車に乗ってからココアを飲む所。
先日のワークショップでは「Who are they?」
の質問が挙がって大笑いしたところ。

映画でもそこをつっこんでいて、拡大解釈が大いに笑える。

2004年作ということもあって、アニメーションの動きのぎこちなさがちょっと残念。

また、おそらく原作者の意向だと思うが、写実的な人物の表情にときどき違和感がある。
日本人から見ると、少々可愛らしさに欠けるところが残念。