英語えほん千夜一夜〜第8夜『The Watermelon Seed』

熊本からスイカの出荷ニュースが届いている。
ということで、今夜のえほんは、コレ!
The Watermelon Seed
The Watermelon Seed
文・絵 Greg Pizzoli
40ページ  目安のレベル:初級

絵になる果物といえば、strawberryが真っ先に思い浮かぶが、次はwatermelon。それに夏という条件がつけば、スイカが絶対だ。本書は、そのスイカを模して、全体的に緑とピンクのスイカ色。しゃれたデザインに惹かれて、手にとった。カバーをとる。下から緑の縞模様、まるでスイカの皮のような表紙が出てくる。ページを開ける。見返しはピンク地に黒い種が散らばるスイカの中身、果肉のアップだ。読む前から、すでに嬉しくなる。カバーのそでに、「Have YOU ever swallowed a seed?(君、いままでに種を飲んじゃったことある?)の文字と、情けなさそうに胸のあたりに手を置いたcrocodile(ワニ)の子の姿。ある、ある!果物の種を飲んでしまって、なぜか「盲腸炎になる!」と、青ざめた子どもの頃が蘇る。どうやらこの子は、スイカの種を飲んでしまったらしい…。
赤ちゃんのときから、何よりもスイカが大好物だった子ワニは、「CHOMP! CHOMP! CHOMP(むしゃむしゃ)!」、「SLURP(ぴちゃぴちゃ)!」と、いつもスイカを食べていた。そんなある日、種ごと「Gulp(ごくん)」と飲み込んでしまった。「I swallowed a seed!」一大事だ。お腹の中で芽をふいて、そのうちツルが伸びて耳から出て来てしまう。「My stomach will stretch(お腹がふくれる)!」「My skin will turn pink(皮膚がピンクになる)!」「SOMEBODY PLEASE HELP ME(だれか助けて)!」。すると、「GRUMBLE GRUMBLE(ごろごろ)」とお腹で音がして…、「BURP(げぼ)」。大きなゲップ!それとともに、口から種が…。
子どもが大好きな、楽しい擬声語(onomatopoeic words)のオンパレードだ。同じ生理現象なのに、「英語耳」にはこう聞こえるのか。かけ離れていたら、発音を再確認。子どもは音の天才だ。大人とどちらの発音が本物らしいか、競うのもいい。
「That was too close(危ないところだった)!」。誤飲したが事なきを得たワニは「No more melon for me./NEVER AGAIN(メロンはこりごり。二度と食べない)!」と誓う。だがしばらくすると、「CHOMP! CHOMP! CHOMP!」の音…。読者も、スイカに手が伸びそうだ。
なお本書は、米国で出版された「the most distinguished American book for beginning readers(最も優れた初級読本)」に授与されるThe Geisel Awardの2014年受賞作。

音読のヒント
1.ナレーターは主人公の子ワニ。子どもらしい声と子どもらしい表現で。
2.活字のスタイル、大きさなどの違いをヒントに、読み方に変化をつける。
3.擬音語は実際の音に似せて。
  ムシャ、ムシャ
  ずるずる
  ゴックン!

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