「読むところを指で差すのはなぜ?」〜4歳児からリードアラウドについて質問された

アメリカで、ワークショップやクラスやミーティングなどに参加したことがある人はご存知だろう。
そこでは参加者の質問がとても多い。
主催者も質問があることを想定して進行させている。

ところが日本では全く違う。
質問なしがデフォルト(初期設定)だ。
わたしのリードアラウドも例外ではない。
みなさん、絶対なにか質問があるはずなのに、声を上げる大人も子どもも少ない。

ところが先日のことだ。
書店でリードアラウドを終え、「質問どうぞ」と会場に残っていたら、女の子がもじもじと近寄ってきた。
みんながいるところでは、恥ずかしくて声を上げられなかったが、質問があるらしいと、おかあさん。

やっほー、待ってました。
「なに? なに?」と顔を近づけると、女の子はおずおずと口を開いた。
「なんで、読むときに文字を指で差すの?」
うーん、偉い。
ばっちりとリードアラウドの本質に迫る質問だ!

英語は、日本語のひらがなやカタカナのように、一語に母音がついた音節文字でない。
例えば「ねこ(ne-ko)」は、「cat(c-a-t)」と「c」「a」「t」の音素が集まった音素文字で表す。
「c」「a」「t」を知っていても、「cat」を読むことができない。

一語一語なぞって読むのは、言葉の読み方とスペリングを、視覚で頭に認識させるためだ。
英語では、print(書かれた単語)とvoice(その読み)を一致させることが、子ども時代の難問のひとつだ。
それに効果的とされているのが、「voice-to-print match」」「finger point reading」と呼ばれる指差しながら読む方法だ。
リードアラウドはこれを踏襲しているというわけ。

この女の子、聞けばまだ4歳という。
Good question!

わたし自身の経験も考えると、会場に残ってくれている講師になら質問しやすいかもしれない。
今度から、長めに残ってみようと思う。
みなさん、ご質問をお待ちしています!

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