定期的に、ブックハウス神保町で開催させて頂いている英語絵本イベントのひとつ、リーダーズシアター。
基本はリードアラウドだ。
「脚本」にそのままできる絵本を選んで、参加する子どもたちを役にふりわけ、朗読劇のように観客の前で読み上げる。
指導は、リードアラウド・ワークショップの上級者たちと、たまにわたし。
たいていは、指導者二人組で子どもたちの前に立つ。
チームワークは指導の要だが、本年度はシアターゲームがそれに貢献し始めたようだ。
先日は、HさんとRさんのチームが、この本でリーダーズシアター指導をした。
指導時間を分割するこれまでのスタイルではなく、全体をふたりの丁々発止で進めるスタイル。
ふたりにとっては、初めての試みだった。
「指導記録」によれば、盛り上げ不足や、中だるみ、小学生中学年以上の参加者を飽きさせた(?)など、「積み残し」はあったようだが、自己評価は「まずまず」。
自分たちに厳しいふたりだ。
「まずまず」は、恐らく及第点ということかと思う。
これは、これまでの「指導記録」を見る限り、お初!?
二人組指導をしてきて、いつも挙げられていた問題点は、
1. 譲り合って沈黙する場面がある
2. ふたりが、「かぶる」
というのがあった。
これが、どうやら今回は著しく改善されたようだ。
そのわけは…?
よく「息を合わせる」と言う表現が、ウォームアップのシアターゲームには実際にチームメンバーの息を合わせるゲームがあり、それを今回、直前に実行したのが功を奏したのではないだろうか。
たとえば、こんなゲームだ。
チームがふたりなら、ふたりで向かい合って、ただAからZまで交互に言い合う。
シアターゲームは、頭で想像するだけと、実際にやってみるのとでは大違いだ。
「こんなもん、おまじないだ」とか、「ゲームなんて大人げない」とか、わたし自身も以前はそのように思っているふしがあった。
だが、実際にやってきた、今ならその驚異的な効果がわかる。
たかがアルファベット、それを交互に言い合うだけでも、息が合い始める。
息を合わすゲームの他に、アイコンタクトをするウォーミングアップ・ゲームもいろいろあり、これがまた効果的だ。
いっしょに行動をするために、人間に必要なコミュニケーションの根源的なもの、息を合わせたり、視線を合わせたり。
これら普段の都市生活では奥にしまってあるものを短時間に引き出す働きが、シアターゲームにはあるのだ。
リードアラウド上級指導者たちの場合、このコミュニケーション力をあと少し高めて、授業の直前に引っ張り出して全開にできれば、きっと自分たちでも満足のいくリードアラウド指導、リーダーズシアター指導ができる。
あと少し。