リードアラウド指導「あっけなく終わったが…」~指導者Mさんの報告

先日はブックハウス神保町で、Mさんとわたしでリードアラウド。
A Dark, Dark Tale

Mさんから、素晴らしい観察眼と洞察力に満ちた報告が上がった。
みなさんと共有したい。

(以下Mさんの指導記録のメモから引用)

大島先生から1週間前に渡されたメモには
「moorなどの場所の名を繰り返し(記憶するくらい)尋ねる/次にどこに行くのかを絵で想像させる/緩急をつける。特に後半は急/おどろきと臨場感あふれる読み」 
この四点が記されていた。

自分なりに授業計画を細かく書き始めていたところだったが途中で止め(実際には延々と続く繰り返しが面倒と思ったのだが。)、このメモ書きの四点のみを頭に叩き込んだ。

当日、始まる前のほんの10分間、ウォーミングアップを二種類行った。(註1.)

一つは一語ずつAからZまでを交互に目を見つめ合いながら順に言う。

二つ目はやはり見つめ合いながら、相手の全身の動きを自分の体でコピーする、というもの。

結果としてこの準備運動が本番中に大変役立ったと思う。二人組になって指導をする場合、どんなに綿密に計画を立て、授業のストーリーを頭にいれておいても、結局はその場での二人の息が合っていなければ失敗してしまう。

これまで何度体験しても成功しなかった原因はここにあったのだと実感した。

終了後にいつも反省会をするのだが今回はナシで解散。
さらに後から大島先生より
「楽しい顔が見られて何より。いい会の一つになりました」とのメッセージを戴き、じつはポカンとしたのだ。

あんなので良かったのか、というのが直後の実感だ。本番中何度も送られてくる大島先生からのアイビームに、これだけは逃すまいと気を配っていただけで、あとはその場、その瞬間に考えついたことを言っていた。

気が付いたら自分も楽しんでいる間に終わっていた。実にあっけなく終わった感が私にはあったから。

しかし、実際の録音を翌日聴いて驚いた。

自分と子どもたち、自分と大島先生との言葉のやりとりがうまい具合に進んでいるのだった。

更に自分の欠点に気づいた。
とにかく生徒へのつっこみが大島先生はしつこいのだ。

質問した一つのことをきちんとした返事でかえってくるまでしつこくせめる、または同じことを辛抱強く端から端まで繰り返しさせている。

何度も私が先へ進もうとするのにブレーキをかけてくださった様子がわかった。

また、授業計画書は大切だけれど、それに捕らわれてはいけない。
以前はこのページでは何を言うか、準備していた言葉を捜すことに必死で、目の前にいる子どもたちの言動に気配りが出来ていなかった。

RAというのは一方通行の授業ではない。

子どもたちを乗せ、読ませて楽しませるための、指導者はやはり芸人?船頭さんのような存在かもしれない。 

御蔭さまでリラックスしていたらしく腰痛にはなりませんでした。

(以上、引用終わり)

註1. このときの「ウォーミングアップ」
シアターゲーム2種。
1. A to Z… 向かい合ったふたりが、交互にAからZまで言い合う。
ふたりの息を合わせるゲーム。
意外と次が出て来ないため、とっさにもの言う演習でもある。

2. Mirror(またはFollow the Follower)
ある人(この日は向かい合った相手)の鏡に移った姿になって同様の動作、表情をする。
どちらもleadしないように、どちらもfollowerとして、あくまでも相手を真似る。

パートナーの動作への観察眼を養う。
照れずに向かい合いコミュニケーションを滑らかにする。
結果として、両者のアンサンブルが調和的になる。

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