朗読指導者で、「表現読み」の提唱者、渡辺知明さんが、こんなことをおっしゃっていた。
朗読者はどうして共同の研究会をしないのだろうか。それは自分が読んで人に聞かせることばかりに関心があるからだ。だから読みが常に聞かせ読みになる。自らの読みへの反省がない。自分の読みを録音して30回以上聞き直す人がどれだけいるか。朗読は独学が本質だ。だが、理論の相互交流は必要なのだ。
リードアラウドのワークショップ、ふたつある柱の1本は、朗読。
そこでは、お互いの朗読を聞き、講評し合う。
普段は「先生」と呼ばれる人も、ここで耳を養って、反省もし、自分のプラスにする。
とても大切な時間だと思う。
前回の参加者のひとり、Nさんが以下のような、気づきをメールで寄せてくれた。
以下、Nさんのメールから一部抜粋:
ママ友さんの、子供達への声がけが明るく澄んだ声(普段は少し低め)。
(そして) 先日の(ワークショップの課題書の登場者) pageでHさんやYさんが出しておられた声、Mさんの豊富な声など、声にもいろんな質があるんだなと改めて感じました。
子供が笑いそうな声も面白いけれど、こんな澄んだ声も優しくて良いな!と思いました。
きっと、これまで以上に、声についていろいろ気付くようになったのだろう。
こういう気づきが始まるのは、上手くなる兆しだ。
楽しみとしよう。
ところで、ワークショップのもう1本の柱は、指導法。
前回ワークショップの模擬指導の時間は、子どもの発話を引き出し、それを肯定しながら知識や情報を伝える演習、「Yes, and」をすることに注意を払った。
それについても、さっそく試して、つぎのような報告。
英語教室のハロウィン・パーティーをし、生徒さんや娘の友達12名が参加してくれました。そこで、『Skeleton Hiccups』の読み聞かせをしました。4歳から小2までの子供達でしたが、Read Aloudの時のように、子供に絵本から推測させ、「yes and」で話を聞くことに心がけました。子供たちは全員、最後までしっかりこちらを見て、英語も一緒に元気に発話してくれました。ゲームやダンスなどもしましたが、この絵本の時間が一番まとまったな!って感じがしました。
なかなか癖にするのは難しい「Yes, and」(シタターゲームのひとつ)。
これからも、心がけたい。
Nさん、いい報告をどうもありがとう!