シアターゲームと英語絵本リードアラウド〜10月それぞれのワークショップを終えて:その2

リードアラウドは、一期一会やそれに近いものも少なくない。

子どもは、初めて会った大人(わたしたち)と、初めてかもしれない英語の絵本を
一緒に読もうと言われる。
でも、そうそうすぐにリラックスして始められない。

リラックスさせることが、リードアラウド成功の秘訣だと、近年はつくづく思うようになった。

だからシアターゲームなのだ。
これは、これは人々を短時間でリラックスさせる魔力を持つ。

先日のシアターゲーム・ワークショップでも、力を入れたのがicebreaker games とwarm-up gamesだった。

日本では特に多いが、他者と目を合わせない人々。
これはコミュニケーションがiceの状態だ。
icebreakersは、この氷を溶かす。

アイコンタクトを取る簡単なゲームがいくつも用意されていて、そのいくつかをこの日、演習した。

参加者同士はほぼ初対面だが、ゲームを続けて行くうちに、iceがbreakしていくのを実感できたのだろう、表情が和む。
笑い声が、開放的になる。
発言が多くなる。

実に簡単な、遊びのようなゲームで、それも早ければ5~10分で、リラックスした環境、つまり頭に新しいことが入って行きやすい環境ができる。

リードアラウドをしてきて、もうひとつの共通する子どもたちの様子に、エネルギー不足というのがある。

端的に現れるのが、声。
それが、とても小さいのだ。

声量は、表現の基本だ。
表現を指導するのに、聞こえないような声では始まらない。

今回のシアターゲームは、このエネルギーを出すゲームにも力を入れた。
Screamというゲームでは、実際に叫び声を瞬間的に上げる。
現代生活、特に日本人は、叫び声のような動物的声を上げる機会が稀だ。
無意識に押さえているものを、ゲームで吐き出す。

みなさん、愉快な気持ちになってくるのが実感できたのではないだろうか。

リードアラウドでは子どもたちに表現も教えるが、声に感情を乗せるというのに慣れていない子どもも少なくない。
これも日本人的なことの1つかもしれない。

ということで、icebreakerやwarm-upでリラックスしたあとに、emotionsを出すシアターゲームも、重視している。

Copy & Pasteゲームでは、感情をともなった言い方を、どんどん真似して伝えて行く。
英語の先生方は慣れたものだが、これは平坦な読み方をする多くの子どもにとても有効だ。
言葉がコミュニケーションの「乗り物」だと、気付かせる。

言葉を身体化する、言うのではなく伝える力を上げるゲームも大切だ。
指導者自身の指導力アップにも役立つし、子ども自身のためになる。
Presentsというゲームでは、とっさにプレゼントを考えそれを言葉ではなく他者に伝える。

発想力とそのスピードの訓練と、伝える力の演習だ。
訓練、演習とか言うが、遊んでいる感じ。
これをやることには、初対面同士ながら、げらげら笑い合う仲になったのも素晴らしい。

シアターゲームの「副作用」のひとつは、集団のアンサンブルを親密にするというもの。これも、参加者は実感できたのではないだろうか。

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