今回、「改革」が行われたのに参加者は気付いただろうか。
復習の前に、warm-upとなるシアターゲームを持ってきてみたのだ。
外は暑くても、出だしからエネルギーが必要なリードアラウドに、warm-upはやはり有効だったようだ。
warm-up シアターゲーム、そのひとつは、他者とのアイコンタクト。
眼を反射的に合わせclapする、という簡単なゲーム。
そして、名前をこれまた反射的に言い当てていくゲーム。
復習の『Two Eggs, Please』は、リーダーズシアター形式での読み合いだ。
間合い、空気感も、チームのコミュニケーション力で違ってくる。
アイコンタクトを取ることに慣れ、相手の名前を知るだけで、やりとりが有機的になるから不思議。
それから、キャラの造形だ。
この造形だが、ほとんどの人のが小さい。こじんまりしすぎ。
中には、大きく造形できる人もいるが、観念的で表面的なところがある。
小さいと登場者が立体的に観客(生徒)に見えて来ないし、観念的なパターンだと、クサい芝居だったり、暑苦しく感じる。
台詞を読み始めたとたんに、その登場者がまるで目の前に立っているように聞かせたい。
warm-upの他に、今回はキャラクター作りのシアターゲームも行った。
かけ声と伴に、いろいろ特徴あるキャラになったつもりで、全員が部屋中を歩き回る。
今回は、ある体の一部(例えば頭とか足とか)に引っ張られている(リードされている)人を造形。
「変なことを…」と思ったかもしれないが、街で人々を観察し直してみて欲しい。
やけに頭に体がリードされているとか、足にリードされているとか、人間の面白さが見えてくる。
もうひとつの、キャラ造形練習は、emotionsを体で表すゲーム。
Joy, fear, sadness, anger, disgustーそれこそ、映画『Inside Out』のキャラのように、それぞれのemotionにリードされている人になって、歩き回った。
こうして、実際にある感情を体で表現する練習をすると、それまで表面的だったり観念的だったり、こじんまりしていた演技が、大きく、体の中からの自然に湧いてくるようになる。
こうして、warm-upやcharacterizationのゲーム後に臨んだ2冊の本。
『Two Eggs, Please』では、夜2時のNYのダイナーという空気感はまだないが、役によってはその存在が「3D」になった人も!
もう一息、二息の人も、それなりに、先月よりも彫りが深くなったのは嬉しい変化だ。
そして今回の『Duck!Rabbit!』。
当たり前だが、ベテラン組のレベルは、予習をしてきた段階で相当高い。
とはいえ、わたしが口を挟む隙は、有り難いことに、まだまだ残しておいてくれていた。
その残っている「隙」とは?
みんなの目標にもなるので、挙げてみる。
そして、それの克服の方法も提案する。
たとえば、
・登場者のキャラの設定がまだ揺らぐため、読み分けが不完全。
→録音して、混じっているところをしらみつぶしに直す。
・声の技術に頼って、観念的なキャラ造り。それぞれ型はあっても、表面的なところがあると、クサくなる(特にベテラン)。
→造形したキャラの浮きを、すとんと自分の腑に落とす。
・同じ型のキャラばかり登場させていないか。
→別キャラにも挑戦。または、同じでもそのキャラを観念ではなく掘り下げる。
キャラの演じ分けのヒント
年齢や性別など設定してから
i.声のpitch、rateを、各キャラに割り当てる ii.あるemotionに支配された人として造形する(例えば、ひとりはjoy、もうひとりはdisgustで、など)
・場面場面での物理的条件が考慮されていない。
→どこで話をしているか。どこへ移動したか。どっちを向いているか。立っている?しゃがんでいる?双眼鏡を相手から受け取った?覗き込むまでの時間はどのくらい?消えてしまってどのくらいして会話した?場面ごとに考え、必要ならそのような姿勢や動作をしながら読む。
すると、遠い声・近い声の差や、均一ではない自然な間合い、動作から、奥行きを感じさせる声になる。
体から声を作ってみよう。
・先生としての発言をしているときと、朗読しているときとでは、体の動作が変わらない。
→「先生ー表現者」と、動作を違えて、メリハリをつける。
また、この日はFluencyのうちsmoothnessを、vocal variablesではvolumeとpitchを練習した。
英語の日常会話での場合、pitchの変化が日本語より激しく、大きいようだ。
普段のpitchを、リードアラウドのときにはもっと大きく差を付けると、これまた変化がついて楽しく聞こえるようになるだろう。
模擬指導。
先生役だけでなく、生徒役も即興で発言し、先生の即興力を刺激した。
問題は、どうしてももたもたしてしまう時間があること。
パターンになったり、同じリズムで進むので飽きがくる。
同時に、時間が足りなくなった時の、つまみ方も難しい。
リズミカルに飽きさせず進行させるのも難しいが、どうリズミカルにするかの方法を、うまく指導するのも難しい。
これが、目下のわたしの課題か。
最後に、仕上げのリードアラウド(朗読)を聞かせてもらった。
みんながいつも以上に楽しんでいるのが、特記事項!
心から楽しんでいると、それが観客(生徒)にも伝染して、多少は指導力の未熟さもカバーされる!
ところで、今日のいつもにも増したこの楽しさは、どこからだろう?
それは、おそらく解放感から。
シアターゲーム(インプロ)の力かも知れない。