英語絵本リードアラウド・ワークショップ2015〜第1回報告

本年度のワークショップが始まった。
忙しいなかご参加いただくのだ。
「参加した甲斐があった」と、毎回思ってもらえるものにしなければ。

さて第1回。
・指導者自身の声と朗読を磨くこと
・子どもの発言や表現を引き出す指導
このふたつの大切さを感じてもらえただろうか。

発声練習ができるのも、継続ワークショップならではだ。
姿勢を正し、横隔膜を使った呼吸で、豊かな表現をしやすい、朗読に適した部分の声(ミドルボイス)を強くする訓練をおこなう。
有効性は、ワークショップのベテラン研究生たちの、しっかり通る声で証明されている!
これが、月に1度でも実際に一緒にできるのは幸いだ。
声が自由になってくると、読むことがますます楽しくなる。
朗読を聞く子どもも、楽しんでくれるようになる。
子どもの反応を楽しみに、続けていこう。

朗読の上達へのアプローチには、この声という肉体の訓練と平行して、本の解釈という心というか頭の訓練もある。
今回のテキスト絵本『green』を手に「どんな物語でしょう?」と尋ねたときの、みなさんの意外そうな顔が印象的だった。
物語なんてない絵を楽しむ本とでも、思ったのだろう。
リードアラウド指導者は、絵本をもっと「深読み」しよう。
次回までの復習。
きっちり物語を考えてから、朗読してみること。

どんな物語か。
お父さんと娘の関係は? どんな口調で話をする?
いつ、どこで、だれが語っている?
お父さんが行った森なのか、親子が知っている森なのか。
ライムにまつわる話は?(「ああ、あのときのライムね!」と親子の共通の思い出があるのか)
豆にまつわる話は?(娘の好物、または嫌いな物なのか。寒かったときに食べてホッとした父の思い出なのか)
などなど、場面場面にまつわる話を、思い出のアルバムをめくるように具体的に考える。
この過程を経てみると、きっとみなさんは驚く。
本への愛着が、いっそう深くなる。
そうして、リードアラウドをしたときのコメントや、子どもたちへの質問に深みが滲み出る。

こうした本への「こだわり」は指導に表れ、子どもに本への興味を持たせることになる。
リードアラウドでは、たまたま英語の本を使っているから英語を教えているが、実は本の楽しみを伝えてもいる。
また、デザインや絵を愛でる心も伝えているのだ。

さあ、一流の作家たちの渾身の一冊一冊を、一緒に身体と頭を使って読んでいこう。
そして、本の素晴らしさ、楽しさを、ひとりでも多くの子どもに、リードアラウドで伝えよう。
Green

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