キッズブックス英語スクール meets Big Fat Cat〜その2.その指導者編

Big Fat Cat(『ビッグ・ファット・キャットの世界一簡単な英語の本』向山淳子+向山貴彦+たかしまてつを著 幻冬社刊, BFC)とは、「ネコが好き」などなど長ーい理由があって、ブランクも長ーいが、知り合いである。

先日、瓢箪から駒が出て、BFC(の化身、向山貴彦氏)がわがスクールの4年生(リードアラウドを4年学んだ生徒)ふたりに、特別講義をした。

生徒たちが何を学んだかは、本ブログ(その1)で書いた。
今回は、指導者が何を学べるかの巻。

わたしがリードアラウド指導者向けのワークショップをしていて感じるのは、指導者(研修生)に「面白み」を出すように指導するのが難しいこと。

「面白くして下さい」と言われても、そりゃ難しいでしょ。
と、研修生の身になって考えれば分かるのだが、リードアラウドの大きな目的は、英語を楽しい、面白いと思ってもらうこと。

リードアラウドの指導者には、面白みが欲しい。

BFCの本も講義も、面白い。
英語をもう一度勉強しようかな、と思わせる力がある。

リードアラウドの指導者として学べるのは、その面白さ。

面白いと思わせる技、といってもいい。
いくつか、この日のBFCの講義から学びたい。

1. リラックスする、リラックスさせる

楽しむためには、先生もリラックスしたい。相手もリラックスさせたい。
なぜリラックスできないかといえば、初対面だから。
または、よく知らない同士だから。

リラッックスのためには、聴衆や生徒とふれあうこと。

BFCはこの日、ちょっと特別な手、チョコレートを使ったが、それだけではなかった。
講義を開始する前に、生徒と視線を合わせて、雑談をする。

その際、BFCはなかなかいい手をとった。
「花の女子」にぐぐぐっと近寄って、ご挨拶したのだ。
(「ぐぐ」では、ちょっとでかえって不気味。「ぐぐぐ」の近さが絶妙)

あまりの近さに、女子たちは「近っ!」。
こんなくだけた発言を引き出せたら、掴みは万全ということ!

BFCも同時に、意識的か無意識的か、リラックスしたに違いない。

2. 物語のような語り口、流れ

急にはできないところだが、めざすのはstory-telling。

これには、講義する「材料」を身体で知っている必要がある。
リードアラウドなら、その日使用する絵本だ。

BFCは自分が本の作者だから、身体で内容を知っている。
いくらでも、違った切り口で話ができる。
有利ではあるが、天性の話術もあって少々、凡人はふり。

しかし、作者の次くらいにその本を読み込む気で臨もう。
だから、準備は何しろ、読んで読んで読み込むこと。
天才でないのなら、準備を怠らず。

講義しよう、教えようとする内容を、自分の深いところで知っていると、どこからでも糸口を見つけて、物語りできる。

3. 要点と到達点は押さえるが、準備して来たその他のことに固執しない

生徒は生き物だ。
やりとりしながら講義は進める。
そして、そのときどきの生徒の反応に対応する。

寄り道、回り道、別ルートを行くことにもなるが、それを楽しむ。
これは、自分の新たな「引き出し」になるので、大歓迎する。
その空気は、生徒に伝わり、どんどん解放されて、面白い意見や表現が出ることにもなる。

この日のBFCは、これまでのPG18だった講義をPG12にと、多少はその準備で臨んだのだろう。
だが、想像の12歳とリアル12歳で、軌道修正が必要と即座に判断。
その後の流れは、多くはアドリブでされた模様。

PG18ならOKでも、PG12ではPCではない語彙「尻軽」などが、何かの折りに飛び出してしまうようなところは、大人として楽しかった。

いつもは、主人公Edだけが「役者」なのに、この日の少女たちが異性に興味がありそうだと察したBFCは、Chrisというイケメンを登場させた。
用意して来たであろう他の例を、ぽーんと放り出す潔さ。
即興の楽しさが、ここに生まれる。

4. イメージを生徒に残す

たとえばこの日のことを、100日くらい経ってから尋ねられた生徒は、どう印象を語るだろう。

「いちごの話だった」
だけかも知れない。

「麦わら帽子をかぶってしゃがんで、道端のstrawberryを積んでいるおばさん」と「『とちおとめ』とか書いてあるプラスチック箱にきれいに並んだ『いちご』」が、浮かぶかもしれない。

それでもいい。
英語のstrawberryと、日本語の「いちご」は、実は同じではない。
それぞれが意味することを、それぞれの言語で直接イメージできることが大切だということ。それが、深いところに刻まれただろうから。

ところで、イメージが残ったのはなぜか。

具体的かつ、その肉付けが面白かったから。

たとえば、実際にアメリカの田舎のおじさんみたいにしゃがんで、strawberryを積んでみせた。
傑作な姿だ。

バシャッ。
わたしの頭の中のカメラのシャッターが下りた。

印象づけ大成功!

さあさ、みなさん。
ちょっと、自分の授業を面白くしてみませんか。