『Green Eggs & Ham』のユーモアを伝えられるか〜キッズブックス英語スクール発表会

リードアラウドという英語絵本を使った指導法を始めた11年前。
ぼんやりとイメージしたのは、Dr. Seussの言葉遊びがぎっちりつまった本のおもしろさを、声に出して読んで伝えられる、日本語が母語の子どもたち。

2014年12月の発表会で、このイメージが目の前に、はっきり像を結んだ。

わがスクール生え抜き、5年間いっしょに学んできたふたりと、途中入学で、もともと英語の素養はあったがリードアラウド的英語は駆け出しで急進中のひとり。

この3人がDr. Seussの『Green Eggs & Ham』をリーダーズ・シアター形式で発表した。

この作品の面白さは、言葉の天才Dr. Suessの、平易だが積み重ねることでおかしみが増す、言葉のやりとりだ。

日本の文化でいうなら、漫才に近いおかしさがある。
「ボケ」と「ツッコミ」の会話のような絵本だ。

だから、言葉をただ読み下すだけでは、まったくこの本の面白さが表現できない。

その難書を、この3人はどうだ。
「ボケ」は、ひょうひょうと、ときに相方を茶化しながら、そして「ツッコミ」は、不機嫌から怒り、疲労、あきらめなど表情を変えながら、機関銃のように言葉を吐いた。

そのやりとりのおかしさ!
観客から、笑い声ももれる。

ひとつひとつの言葉の意味も聞かせながら、それらを写りゆく感情に乗せ機関銃のように「掃射」する、そんな様がユーモラスに写るように作られた作品だ。

作品を理解することなく読み下すだけの音読者や、本作の中の「おかしみ」まで解釈する指導を受けていない子どもは、言葉をひとつひとつ読み上げて、それで完成としている。

もう一歩先、ユーモアが滲むところまで、読み込めたわが生徒は、賞賛に値する。
誇りだ。

年長生徒だけの、発表会第2部では、同書を配役を変え、ふたりで読み合った。

「ツッコミ」は、猛烈。
エンジンがフル回転、言葉も多いので最後はオーバーヒート気味だったが、お見事!

「ボケ」は、幼さが抜け始めた年長生にはチャレンジだ。
それに、大人にはとても難しい役だ。

ところが、「ボケ」役を受け持ったわが最年長生ときたら!
ぬうっとしたりキョトンとしたり、ときには傲慢にも見えるしつっこさを、見事に台詞で表現した。

ああ、世の英語指導者や、読み聞かせしている大人たち。
自戒を込め、この子たちのFluent Readingに負けない、この子たちに恥ずかしくないreading aloudをしよう。

発見!
凄いGreen Eggs & Ham。
ホラー映画になっている。
これは本物の面白さ。
手本にもなる。
必見!!!

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