「感じを出して読む」リードアラウドの約束、どうやる?〜『Santa!』をブックハウス神保町で

ブックハウス神保町でのリードアラウドを、長いことやらせて頂いている。

こうした書店での場合、毎回、リードアラウドというものが初めての子どもがいる。

そこで、最初にその日の絵本の表紙を使って、「リードアラウドの4つの約束」をデモンストレーションする。

クリスマスもまじかに迫った先日のこと。
リードアラウドの約束
1. 読んでいるところを指でなぞる
2. 始めのうちは、読めないところはムニャムニャでOK

このふたつのデモンストレーションを終えて、「3つ目はなんだろう?」と子どもたちに尋ねた。

「……」
すぐに答え
3.(その場面の)感じを出して読む。
これが、出て来ない。

この日の絵本『Santa!』は、約束3のデモンストレーションに、実にちょうどよかった。

表紙の赤く踊った「SANTA!」の文字。
内表紙には小ぶりの文字で、赤と緑と交互に色も違えての「SANTA!」。そして次の見開きには、でかでかと両ページに渡る「S A N T A!」。
3回もsantaが続く。

これを、よく子どもたちが言う「普通に読む」と、
santa, santa, santa
平坦だ。

子どもたちに聞かせて、感想を尋ねると、
「つまんない」。

そのとおり。
「だから、リードアラウドみっつ目の約束を使う」と、三様にニュアンスを違えてわたしが読んだら、みんな「わー、はっはっはっ」。
大よろこびだ。

そこで、今度は子どもたちに、3つの「santa!」をそれぞれどう読むかを確認して、読ませることにする。

ひとつ目のsanta、嬉しそうに。
ふたつ目は…
と、ちょっと考える間があってから、目の前で、きりりと口を結んで、目をきらきらさせている男子が挙手。2年生くらいか?

「(ページを開けて)ちょっとびっくりして。あ、『Santa!』という感じ」
との提案。

会場からは、納得と感心の混じった声。
こちらの想定とは違ったが、この表現を「いただき」、全員でハッと驚いた口調で、
「SANTAッ!」

自分たちからの提案だったこともあって、みんな大よろこびだ。

そして、みっつ目の、大きな文字のSANTA! は、楽勝。
もうみんな嬉しそうに大声で、
SANTA〜!
と叫んだ。

…この冒頭だけでも、リードアラウドやりがいがある。
子どもが、英語の絵本を自ら手に取って、のびのびと楽しそうに声に出して、それも場面にふさわしい感情を交えて読んだのだもの。

そして、リードアラウド、最初にここまで子どもの表現を解放させられたら、あとはスムーズにいく。

いつもうまくいったときに、子どもから出てくる質問、
「先生、いくつ?」
と、この日も年齢を聞かれた。

いつものように、とぼけて、めでたしめでたし。