指導のヒントその2〜小1とリードアラウド

その1からのつづき)

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冒頭の「nothing.(しょんぼり)」次の「something.(やった!)」と、表情を変えた読み方練習で、「リードアラウドは面白いかも」と思ってくれた、私立小学校1年生の16人。

そのあとは、主人公であるガラクタを集める習性があるmagpie(カササギ)が、「more and more」「and more」とガラクタを集めてくる場面を「だんだんと大きな声で」という表現で読んでくれた。

これをさせるコツは、「more」を使った「Echo ゲーム」。
並んだ子どもたちに、順々に「more」を言ってもらうが、声は順に大きくさせる。小から大へ、moreがうわ〜っと拡大していく。

やりながら、「more=もっと」が身体のなかにしみていく。

◎子どものエネルギーを出す場を作る

声でも動きでも、何しろ身体を使わせる。
だが、無意味な場は、子どもにも見破られる。
学習的意味と結びつけること。

本書の語彙は少ないが、sophisticated、入門書としては上等だ。
「a few」「a lot」そして「plenty」とガラクタは増えていく。

声を大きくさせるだけでは飽きがくる。
そこで使ったのが、発音。

◎発音自体を楽しませる。
破裂音(b, p, t)などが面白い。
この日は、plentyの練習。
「pu」ではなく「p」という音を破裂させplentyを言う。

教室が「プッ」で湧いた。

途中、ちょっと寄り道も必要だ。
絵本の強みでもある。
文では書いてないことが描いてある。

◎いい絵本ならではの、描き込まれた詳細を楽しむ。

本書はガラクタが山ほど出てくるので、それで「ミッケ」した。
手を挙げて、見つけた物で英語で言わせる。

ここでは、指導者の予習と「博学」が試される。
博学は、予習で補える。
子どもに何をミッケされても、英語で教えられるようにしたい。

と、まあこんな風に、緩急織り交ぜて60分。

最後に通読させるときに効果的なのが、「リードアラウド4つ目の約束」。

24時間以内に、家のだれかに、読んであげること。

「読んであげる」とこころがツボ。
子どもが、ちょっと偉い感じになれ、やる気になる。

この日も「さあ、一度全部読もう」
と言ったら「え〜」の悲鳴(?)。
しかし、この約束を言ったら、「よっしゃ!」の気配がでて、無事一読!

めでたしめでたし。

P.S.
本文の後半、ガラクタを減らしていきながら、「less and less」とあるが、「さあ、この言葉の反対語はなんでしょう。これまでに読んで来たところにあります」と尋ねた。

子どもは凄い。
すぐさま「more and more」の声。
この小学校の子どもたちも優秀なのだろうが、多分、more and moreの印象が強く染み付いたおかげも?

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