新聞に載る「評」をよく読む。
そこで、リードアラウドを高めるヒントを数々見つける。
「七月歌舞伎」では、玉三郎さんが若手中心のなかで先生役らしい。
今回はその歌舞伎の評(評論家 天野道映さん)から、拾ったヒント集。
・(玉三郎さんは)花形を起用する一方で、普段地道な努力を重ねる人に光を当てている
・(猿弥さんは)体に踊りがあるので型が奇麗で、せりふは横隔膜に響いて心地よく、(水際立つ男ぶりの団七=海老蔵さんを)圧倒する
・(中車さんは)研究熱心なせいか、自分一人に集中し過ぎて息苦しい。(他の役者は)全体の状況の中で役を捉えている
・(「天守物語」の玉三郎さん演じる姫は)リアルも様式も超え、ただ一陣の涼しい風となって吹き抜けていく
同じ雰囲気は(他の出演者も)染めて、(中略)美しい調和を作り出している
・(海老蔵さんは)せりふを喉だけでいうので、音程が揺れて安定せず、調和を乱すさざ波になる
・真面目な(右京さんが)精いっぱい愛敬を振りまく姿に、普段の修練が思われる
いやはや。
海老蔵さんのような美貌に恵まれていないものとしては、修練という道があって、それは報われるのかもしれないと思ったり。
また、喉だけで台詞をいうのではなく、横隔膜を響かせて「心地よい」といわれたいものだ。
でもちょっと、「ただ一陣の涼しい風となって吹き抜けていく」のは、まだまだ、だなあ…。
玉三郎の歌舞伎が、また見たくなった。