昨晩はご招待のそのまたご相伴で、新宿紀伊國屋書店サザンシアターで、英語落語を見てきた。
出演は桂かい枝、英国人落語家ダイアン吉日さんら。
落語を英語で初めて見て、これまでうすうす思っていたことが、ほぼ確信となった。
それは、このダイアン吉日さんの英語による落語の説明でわかるだろう。
Rakugo is a style of story telling!
Rakugo is a world of imagination!
そう、落語には、リードアラウド指導者が学ぶことが山ほどあるのだ。
複数の語り手をひとりで演じるときの、視線の変え方、語り口の変え方。
空間の表し方。
昨夜、何度も大笑いしたなかで、らく枝さんのこんな演技があった。
お客がやって来たときの、家の主人の迎え方の違い。
普通の広さの家、お屋敷、狭い長屋3通りある。
「ごめんください」「おっ!○○さん。いらっしゃい。どうぞこちらへ」
みたいなやりとりが、家の広さで3通りに様変わり。
お屋敷なら
「ご、めん、くださーーーーい。」(間)「お……、○○さん?………どうーぞーーーー、こちらでーーーーーーす」。
遠い。
長屋なら
「ごめんく…」「おっと、○○さん。どうぞ」
ドア一枚、目と鼻の先にお客さんがいる感じだ。
この日は、たまたま、いつもの私立小学校で『No David』を1年生とリードアラウドしてきた帰りだった。
この絵本中、裸ん坊で走り出したDavidを母が「Come back here, David!」と叫ぶ場面がある。
たいていは、そのまま無意識に読んで、まるで隣同士にDavidと母がいるようになってしまう。
絵では、Davidは10メートルは先を、それも家の外を走っているのだ。
そこまで聞こえるように、母は大声で叫んでいるはずだ。
…と、指導してきたばかり。
落語に、リードアラウドとの多くの共通点を見つけたのは、たぶんそんなこともあったのだろう。
リードアラウドも、world of imaginationの「住人」なのである。
聞かせる人たちに、空間などを想像させる読み方をし、それを面白いと感じさせる。
ただ、ひとつ大きく違うのは、リードアラウドは「観客」が参加することと、そして、絵本の絵がヒントとしてあること。
ちょっと、落語にも首をつっこんでみようか、なんて思った晩だった。