子どもにとって、多くの大人は、子どもの気持ちがわからないKYな人々である。
残念ながら、確かにそうなのだが、それでも先生たる者、少しでも空気を察せるようになる必要がある。
先日、リードアラウド「門下生」ベテランふたりが書店でリードアラウド(リーダーズシアター)をやった。
そこで、4歳の子が言い出した。
「読まない!」。
そう言い出す伏線はあった。
2歳位年上の、優等生っぽい子が、恐らく英語の幼稚園へ通っているのだろう、どんどん本を読み下したのだ。
先生はすっかりその子のペースに合わせてしまった。
「次も、じゃ、読めるね」なんて言い出した。
ちょっと英語を知っている程度の4歳児は、これにはかなわない。
先生は、ほとんどその「優等生」に向き合ってしまった。
「こんなのやってられない!」。
4歳児がそう思っても、無理もない状況だった。
これは、先生たちのmisconductだ。
ごめん、ごめん。
こんなとき、4歳児の出来る抵抗は、「読みたくない!」である。
「読めないのではなく、読みたくない」というところに、自尊心が見える。
KYが読めなかった指導者は、子どもがそう言い出してしまったらどうする?
1.原因に大急ぎで気づくこと。
自分が、その子のやる気をくじいてしまったと、いち早く気づく。
それ以上、傷を深めない様、止まる。
2.「やらない!」と言っている子に、力があることを自覚させるアクションを起こす。
ただ「君もできるよね」といった曖昧なフォローでは、かえって自尊心が傷つき逆効果。
正しいアクションは、別の問い、出来ればよく似た問いを、その子にも問いかけること。そして、正解を出させるのだ。
ポイントは、よく似た問いかけにするところ。
答えられなければ、もともこもない。
正解できたら、それを公にする。
つまり、クラスに周知することも忘れずに。
大人は子どもへのrespectを、おろそかにしがち。
そのことへの子どもの仕返しが、「読まない!」だったりするのだ。
その子どもが自尊心を取り戻せれば、意外とすんなりとクラスに戻るものだ。
最後の最後にはなったが、先日の4歳児は指導者の働きかけあって、本文中の「that」から「THAT」になっていることを自力で発見。
このとき、4歳児が「優等生」よりも早くこれを発見できたこともあり、表情がぱっと明るくなった。
そして、通読する段になって、母の声にかぶせながらも「Cat the Cat〜」と読んだのが聞こえた!