面白いことをやっている人がいる。
幼稚園児にいわゆるクラブ音楽を聞かせ、踊らせる。
アボ カズヒロさんというまだ20代のお兄さんだ。
知る人ぞ知る存在だったようだが、不勉強なわたしは、今日、発見。
実際の模様(動画を見て下さい)と
アボさんのインタビュー記事
には、驚くほどリードアラウドのヒントが詰まっている。
初めて会う子どもたちを、すばやく解放(リラックス)させる呼びかけ方。
・呼びかける
・「返事が小さい」と言って、何度か大きな声を出させる
・跳びはねる機会を作る
インタビュー中にあるが、「上手なフロアコントロールについて」。
これはRAのセッション中のコントロールとまったく同じ。
「子どもは一度テンションが上がるとリミッターがない。だからすぐに疲れないようにこういう“知ってる曲”を間に挟むと、上手にフロアコントロールできる」(知っている曲ー「アンパンマンの歌」などーがかかると足が止まる傾向を踏まえて)
「ただ、“知ってる曲”で一度休んだのをまた上げていくのは結構難しくて、知ってる曲に上手にダンスミュージックを合わせていくロングミックス(長い小節を使って徐々に繋げていくこと)しながら踊る気持ちに戻していく技術が必要になってくるんです。」
「BPMは120~130くらいが子どもたちが乗りやすいですね。それ以上早くなると、“踊る”というのを超えてしまい、単に“騒ぐ”だけの感情の発露になっちゃうんですよ」
(→RAもやりすぎると、騒ぐだけになってしまうことも、実際に経験した。度合いを知ることが大切)
「できるだけ解像度の高い音を体感させてあげたい。」
アボさんは、この催しをどういうふうに広げて行ったか。
「それでもこうした活動を受け入れてくれる幼稚園や保育園はなかなか少ない。2004年に初めて幼稚園でDJをした際には、僕が自主的に色々な幼稚園に電話をかけて20件目くらいでようやくOKを頂けた。その後は、噂を聞いた保護者の方が呼んでくれそうになっても保護者会で反対されたり。それでも地道に続けてたら次第に受け入れてくれるところも増えたんです」
どうしてこういうことを、しているのか。
「僕がこういう場所でDJをすることで、子供のころにダンスミュージックを体感して、音や音楽を純粋に楽しむことを知ると、クラブという場所が特別な場所でもなんでもなくなると思うんです。そして、サウンドシステムから発せられる音に包まれることによって、体を動かす気持ちよさ、それは必ずストリートダンス的なメソッドでのダンスになっていなくてもいいんです。思い思いの動きで、もっというと踊らなくても、そういう音を体験することによってイマジネーションが刺激されるということを体験してくれると良い。いろいろな意味で、子供たちが明日から何かしらの形で人生が豊かになってくれればと思っています」
「ダンスミュージック」→リードアラウドに、「音楽」「ダンス」→英語に、「クラブ」→外国に置き換えても、違和感がない話だ。
硬直気味の一般的な英語教育より、リードアラウドは、こんな若者が考える世界観、人生観に近いかも。