『Orange Pear Apple Bear』を4〜8歳と読んだ

ブックハウス神保町のリードアラウド。
たった5語で出来た英語絵本『Orange Pear Apple Bear』を、4〜8歳プラス自称「ん十四歳」の方など大人の参加者と楽しんだ。
Orange Pear Apple Bear

リードアラウドするものとして、challengingな1冊だ。
たった5語しか使われていない本から、物語を抽出して参加者を飽きさせず本に巻き込まなければならない。

英語に緊張している子どもと、たいしてこちらに期待していない大人をも、時間を忘れるくらい楽しませるには、こちらのエネルギーを励起し、どんどん問いかけ答えさせインタラクティブにして、子どもの生き生きした発言を引き出すのが肝心だ。

表紙でどれだけ参加者を引き込めるか、勝負どころ。

指導法研究はもちろんしてあるものだが、実は子どもとは「初演」だったから、ちょっと気が張っていた。

でも、ほっ。
ちゃんと乗ってくれた!

初めて参加の8歳、緊張しているし、お母さんに「連れてこられた」感がただよっていて、ちょっと不機嫌だった。
ところが、リードアラウドの約束3つをデモンストレーションしているうちに、みるみる表情がゆるみ……

「Orange Bear(オレンジ色のクマ)、動物園で見られる?」の質問のころには、
「そんなの、いないよ!」の解放されてこその発言。

「じゃ、『そんなの、いないよ!』の感じで、Orange Bearって読んでみようか」と「誘惑」する。

そしたら、したぞ、演技。
「オーレンジ、ベアあ???」と読んでくれた。

会場から「ホー」と感嘆の声や、頷きの波が。
すると、他の子もハッスル。

棒読みでもボソボソ小声でもない、生き生きした大きな声が会場に響いた。

こうして、初演もめでたしめでたし。
双方が楽しめて、会場にもいい余韻が漂っていた。

「ん十四歳」の参加者が、近づいてきて、こう話してくれた。
「いやー、いつも思っているのですが、こうこうこうだ、と教えるのではなく、『どうなの?』と聞いて子どもに答えさせるの、いいですねえ」

「子どもの発音には、毎回驚かされます。小さい子は、先生そっくりな発音をなんともこともなげに言い返す。可能性に満ちています。こういう機会、大切ですよ」とも。

P.S.
5語で書かれ、実に文字の少ない絵本で60分ぴったり使った。記録的かも?!

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