シュールな発言〜高学年・中学生と絵本、も面白い

先日、Anita Lobel(『がまくんとかえるくん』Frog and Toad Are Friends (I Can Read Book 2)
『Frog and Toad Are Friends (I Can Read Book 2)』

がまくんとかえるくん…の作者アーノルド・ロベルの元妻で、やはり著名絵本作家)の『One Lighthouse, One Moon』を復習中のこと。One Lighthouse, One Moon

風光明媚な小さな海辺の灯台に住むネコ、Nanaの1年を詩的に描いた絵本だ。

そのネコが、最後に「Surprise」として子ネコを産む。
乙女心を持つ絵本好き先生なら、「wow, what a surprise!」「sweet!」といった反応をする場面だ。

だが、生徒A ったら、
「父はだれ?」。

…これには、笑った!笑った!
言い方もシュール。
「チチハダレ?」。

絵本には、きれいごとを並べ、ときに偽善的にも聞こえるものもある。
そういう大人の偽善的なものに、そう強くないにしても、生理的に嫌悪を感じたのだろう。

(本書は、決して偽善的ではなく、まるくなった大人には叙情的で美しい)

「大人の偽善的なもの」に敏感になるのは、早い子で4年生くらいか。
5,6年生なら、逆にそのくらいの感性を持って欲しい。

こういうことに気付く子どもたちは、大人なのに絵本をただふわふわと「かわいいから好き」なんて言っている人より、よっぽど読解力があるのだろう。

読解力というリードアラウドで学ぶ大切なところで、たいへん面白い発言だった。

それから、続きもある。
この生徒Aの発言に対する大人の態度に安心した生徒Bが、続けて言った。

「だれが父か、わからないんだよ」。

ガ、ガーン。
生徒Aと生徒Bは、「ふふふ」。

同じ絵を見て「わあ、かわいいネコちゃんねえ」としかコメントが浮かばない、乙女のような先生方。
うろたえませんよう。

まあ、生徒の方が上手で、そういう先生なら、発言を避けてくれるかな。

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