英語絵本を子どもたちと一緒に楽しもうと、リードアラウド(RA)での指導を指導者たちに「手ほどき」している。
塾などで、既に英語を子どもに教えた経験のあるひとたちに、
「手ほどき」などおこがましい、とは思う。
だが、どうも塾とリードアラウドでは勝手が違うようだ。
でも、どう「勝手が違う」のだろう。
ちょっと、考えてみた。
リードアラウドでは、
初対面の観衆(参加者)、
塾より人数が多め、
かつ大人の参加者(親や同業者)も混じる、
会場が大きめ
などの特長がある。
そのため、リードアラウドは「舞台」に似て、stage fright(あがること)があるのかも知れない。
英語塾では、
顔見知りになっている子どもだけ、
少人数、
そして心理的に親密感を抱きやすい小部屋でやることが多い。
相手との距離や空間は、とても心理に影響を及ぼすものだ。
指導の技は、芸に近い、と最近よく思う。
理論的に習得出来る部分もあるが、自分で磨かなければならないところも大きい。
磨けば磨くほど、よいものになる。
リードアラウドをやるにあたって、それを絵本を使った授業と思わず「舞台」と思うといい。
たとえば……
○声、立ち姿、動き方、視線の置き方・送り方を大切な要素と考えること:
空間の意識としては、大きくもつこと。5メートル(+)くらい先まで含める。
声は深く、張りをもたせ、変化に富ませる。
姿は黒板の目に張り付いたような平面的にではなく、四方八方に立体的に見せる。
客席を包み込む大きな動きをする。
ひとりひとりとアイコンタクトがあるような視線を発する。
などなど。
○楽しんでもらえなければ、次の「舞台」はないと思うこと。
塾と違って、次に戻ってきてくれる保証がないことも多い。
また、「販促」としての仕事の場合もある。
その場合は、「お客」を呼べなければ次がない。
リードアラウドの場合は、これにちょっと違う要素「役に立つ」も加わる。
「英語の学習」として、子を参加する親も多いためだ。
だから、正確な知識や準備も必須だ。
単発のリードアラウドでは、本を楽しむことと本自体を印象付けるため、ほとんど小道具は使わない。
体一つと本1冊で、見知らぬひとたちの前に立ち、30~60分楽しんでもらう。
冷や汗ものだが、うまく出来たときは、なんともいい汗に変わる。
だから、やめられなくなる。