チチコグサ(父子草)を知っていますか

雑草の名前をかなり知っていたわたしは、あるとき父に、よくある雑草を指差して、ハハコグサ(母子草)という名だと教えてあげた。

すると大正生まれの父は、
「なんで、いつも母と子なんだ!」
と本気で不快そうに言った。

「イクメン」なんて言葉ができる、ずっと前のこと。
父は、すでにイクメンだった。

「ハハコグサなんていう名は、差別だな」
とも言って、しっかり子育てに関わっていた父は、自分のような父親たちの存在を知らしめたかったのかも知れない。

そんな父に話してあげたい、昨今の「イクメン」現象。

本当は子育てに関わりたかったのに、「子は母がいちばん」とかハハコが強調されて、父の時代は表立った子育て参加には、ある種の勇気が必要だったようだ。
それが、今では随分と解放された。

わがスクールの「親子クラス」もしかり。
先日は、まったくの「チチコクラス」だった。
体験クラスのときも、チチの参加が多い。

子育ては、母にも父にもやりがいのあるプロジェクト。
大手を振って、父が参加できる時代の到来に、わが父もきっと(あの世で)喜んでいるだろう。

ちなみに、チチコグサも存在する。
なぜかハハコグサよりも地味で小形で、分布も小さく、雑草ながら「邪魔になることが少ない」と図鑑には書いてあった。

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