絵本朗読・リードアラウド、どう練習している?

英語絵本朗読ワークショップ」を不定期に開催している。
4時間半で3冊の絵本の朗読を学ぶ。

参加者の朗読バックグラウンドは様々だ。
それに伴って、この1セッションだけでの上達度もいろいろだ。

一番めざましく上達するのが、「英語絵本の朗読初めて」というひと。
そのひとは「ただ読む」だけだった読み方が、本の内容とその本の「声」を考え、聞くひとの存在を意識すると、数倍によくなる。

日本語の絵本朗読だと、「ただ読む」だけではあまり「うまい」とか評価されない。
ところが、英語の絵本の場合は日本では、うわべをスラスラ読むという「ただ読む」段階でも、「うまい」と言われてしまう。

すでにこうして一般的には「うまい」と言われるひとにもかかわらず、わたしのワークショップのドアを叩く。
その時点で、実は飛躍的に上達するチャンスが約束されているようなもなのだ。

つまり、一般評価にも関わらず、何か自分に足りないところがあると意識している、客観的に自分を見られるひとであるわけだから。

こういった最初から上達する、一種の素質を持ったひとが、わがワークショップに足を踏み入れるので、まあ、指導者としてはたいそう恵まれていることになる。

さて、1回のワークショップ参加後、「ただ読む」から「内容を考えイメージしようとしながら読む」になったとしよう。

だが、それからがちょっと長い。
練習しなければ、力がちょっとしか定着しないのだ。

一番、練習が必要なのが、発声だ。
ワークショップでは、発声の大切さと目標を確認し、練習方法にのっとってひととおり練習する。

しかし、それは紹介であり、また練習もその日1日用のウォーミングアップに過ぎない。

実際に声に張りをもたせ、理想に近づけるには、日々の練習が必要となる。

そして、読む練習。
ワークショップ後は、いわば、ただ頭で理解した状態だ。
それを、体にしみ込ませる必要がある。
反射神経にする必要、とも言えるかも知れない。

一文、一句、一語を目にしたら、瞬時にそのイメージを頭に浮かべ、それを声に乗せる。

スポーツ音痴のわたしだが、スポーツに似ている過程だと思う。

玉が飛んできたら、さっと手や足、ラケットを出し打つ。
こんな運動の練習みたいなものだ。

どこがよくないかを、スポーツならビデオで確認するところを、朗読は録音で確認する。
または、コーチに指摘してもらう。

そうして、それこそ「シラミつぶし」に、違和感のあるところをつぶしていくのである。

あるところまで完成させたら、しばらくほったらかしにしても、大丈夫。
「再演」の機会が来た時に、さらっと練習するだけで、力が戻ってくる。

わたし自身は「録音で確認」という過程を、1作品で8~10回することもある。
1日にいっぺんにやると、詰まってしまう。
2〜3日かけると、いい結果がポロッと出る。

「コレだ」という録音をとっておく。
「再演」があれば、その前にそれを聞いてから練習を1〜3度。
時に、「コレだ」と思っていたのがまったく不満足に聞こえ、やり直しになることもある。
だが、それは1回目ほどの練習量はいらない。

さあ、いいスタートを切ったみなさん。
練習ですね!

そして、しばらくは「定期点検」。
また、ワークショップでお会いしましょう。

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