わたしたちのneedsについて

子どもと接していると、泣いたり、むずかったり、また何やら不快そうな表情を見ることもある。

そこで人間の基本的欲求(needs)を考える。

わたしは生物学専攻だったから動物の行動・社会学などは学んだが、人間は生臭く思って学問として学んでいない。

なのでちらっと読んで、Abraham Harold Maslowという人間性心理学者による
「欲求段階説」を面白いと思った。

マズローによると、次元別に基本的欲求は整理されるという。
1.Physiological needs 生理的欲求
2.Safety needs 安全の欲求
3.Social needs or Love and belonging needs 所属と愛の欲求
4.Esteem 尊重の欲求
5.Self-actualization 自己実現の欲求

こう体系的に整理されると、生徒たちの集中が途切れた時の、needsが見つけやすい。
指導者としてそんなとき、「授業がまずいかな」とかモヤモヤするのが、それが晴れる。
問題点が見え、改善点が見えてくるようだ。

たとえば、3〜4歳が集中力を欠いたとき。
「生理的欲求(眠い)かな。眠気をさますようなことをしよう」と思える。

小学2〜3年が不機嫌になったときは、
「愛の欲求と尊重の欲求だな。多少でも満たしてあげなければ」とか。

この欲求段階論での、わたしの大発見は……、
Self-actualizationの段階で、その欲求をすべて満たした人にみられるという15の特徴だ。

引用する:
1.現実をより有効に知覚し、より快適な関係を保つ
2.自己、他者、自然に対する受容
3.自発性、単純さ、自然さ
4.課題中心的
5.プライバシーの欲求からの超越
6.文化と環境からの独立、能動的人間、自律性
7.認識が絶えず新鮮である
8.至高なものに触れる神秘的体験がある
9.共同社会感情
10.対人関係において心が広くて深い
11.民主主義的な性格構造
12.手段と目的、善悪の判断の区別
13.哲学的で悪意のないユーモアセンス
14.創造性
15.文化に組み込まれることに対する抵抗、文化の超越

ただし、ここに達するのは「全人口の1%」に過ぎない、また欠点もある、ともある。
マルローの説に批判も矛盾もあるというが、それでも、
ううむ、興味深い。

ちなみに、この第5のneeds段階では、「10%の達成度で充足される」らしい。
ちょっと、ほっとする。

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