「英語の先生」の仕事じゃないけれど

子どもたちに英語を教えていて、「英語の先生」としては出過ぎた行動をとってしまうことがある。

子どもの生徒を抱擁すること。

男の先生だったら、問題行動になってしまう。
これに関しては、女で良かった。

ある時、騒ぐ子に手を焼いて、ふと肩に手を回したとき、しゅんとその子が黙った。
振りほどくでもなく、固まるでもなく、ふにゃふにゃとなって、じっとする。

小学校で乱暴な女の子がいた。
きつい目でこっちを睨むこともあった。
でも「仲良くしようよ」と、後ろから抱きしめたら、静かになって、やはり身体がやわらかくなり声もやさしくなった。

席に着かずに寝転がり暴言を吐く子がいた。
その時は、大胆にもその子を「お姫様だっこ」して、そのまま一緒に席に座った。
大きな赤ちゃん状態。
恥ずかしがったら「ハラスメント」だから、すぐにやめる心づもりだったが、おや?
その子も、ふにゃっとなって、しばらくそおままおとなしくなった。

リードアラウドでは絵本の文字を指でなぞるのだが、どこをなぞっていいかわからなくなってしまう子がいる。
そんな時、そばに行ってその子の指を持って、そのまましばらく一緒になぞる。
ウェディングケーキのカットのような状態。
「わかんない!」と言って、なげやりだった子が、急に素直になる。

わたし自身は小さい頃に、肉親以外でそういうべたつくおとなを、気味悪く思った覚えがある。
今だって、そういう子もいるだろう。
注意は肝心だ。

だがここしばらく、試しにこのようなスキンシップをすると、態度が好転する子によく出会ってばかり。

言葉や態度が荒れている子は、実は「抱きしめて」と言っているのか。
「抱きしめ」は、英語の先生の仕事とは言えないのだが……。