小学生が歩き回りながら「I Went Walking !」

リードアラウドの研修で、小1、2の20人ほどをまかされたM先生。
いつもはペアでやってもらっているが、この日はひとり。
「あの、大勢で、賑やかなんですけど」
と、となりでこじんまりReaders’ Theaterを指導しているわたしのところへ、M先生が顔を出した。
たぶん助けを求める声だったのだろう。
「ちょうどいい人数じゃない?」
と、涼しい顔でわたし。

それから、しばし時が流れ……。
ふと気づくと、隣から、きっちりそろった声、それも嬉しそうな声が繰り返し聞こえてくる。
「I Went Walking !」
I Went Walking』の神髄を言い表している、うきうきするような素晴らしい表現じゃないか!?
さては……。
4年生のReaders’ Theaterのレッスンを早めに切り上げ、わたしはそわそわしながら、隣の教室に行ってみた。

凄い、凄い!
指揮者のように両手を振って指示するM先生のもと、ニコニコ顔の生徒たちが、本を片手に教室を歩き回りながらリードアラウドしていた。
「I went walking !」
と、元気に1年生が言う。ちょっとひいた2年生が
「What did you see?」
1年生は、書いてある順に
「I saw a black cat looking at me.」
と、まるで本当に報告するように読んでいく。
読むというより覚えてしまっている生徒もいるが、ちゃんとページを追っている。

これこれ!
この楽しさ。この躍動感。
I Went Walking』のエッセンスが学べている。
しかし、生徒たちは勉強と感じていない。
書いてあることと、自分の思いが重なっている。
ただ上っ面を読んでいるのではなく、ほぼ自分の発言になっている。

う〜む。
感動的。
この1年、時に崩壊気味とも見えたこのクラスを、もうひとりのMM先生と一緒になって、よくぞここまで導いてくれたものだ。

リードアラウドでは、おとなしく勉強させるのではなく、絵本を楽しませることを目標にしている。
この日、M先生は「もう歩かせちゃえ」と思ったらしい。
それが正解だった!
リードアラウドの指導者として一皮も二皮もむけたようです。
生徒に代わって、楽しい時間をどうもありがとう。

P.S.
『I Went Walking』は、「英語絵本朗読ワークショップ2013冬」でも使います。

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