年末になって、リードアラウド(RA)の場では発表会が続いている。
先日は指導者たちのワークショップで。
リードアラウドの2本柱、指導力と朗読力。
指導者の発表会で「発表」できるのは、朗読力、換言すれば絵本をプレゼンテーションする力だ。
「おけいこ」では、どれくらい練習したかが評価されることもある。
だが、RAワークショップは仕事力を磨くところなので、出来が重要。
たった1回の出来で評価され、その結果で仕事がなくなったりするリアルな「外洋」で泳げることを目指す。
その訓練に、発表会はうってつけ。
日常、プレゼンテーションする機会がある人は案外少ない。
それに、「日本的」に暮らしていると、特にその機会は少ない。
1年を通して学んだどの絵本を「発表」しようか、それを考える過程で「復習」もできる。
この時に、いったん蓋をしてしまった知識や経験が、もういちど引っ張り出され、もうひと頑張りと脳が働く。
まるで漬け物のように、引っ張り出しただけでも、「うまく」なっていることもある。
発表する本を決め、再び練習してみる。
たとえ力が落ちていると感じても、元々到達していたところまで、楽に回復するはずだ。
だが、参加者たちの発表を聴いていて、それだけではないことに気付いた。
どうやら、それぞれが復習中に、多かれ少なかれ、啓示のようなものを受けるらしい……。
「芸」がちょっと変わるのだ。
すべてがよい方向に変わるとは限らない。
そこだ。
そこでの発表会が、上達にはいいようだ。
まだ完成していない時点で講評をもらえ、それが身に沁みる。
次が、違ってくる。
一段、芸の階段をぴょーんと上がる。
方向性へのヒントがもらえることは、「芸」上達のためにとてもありがたいことなのである。
細かいことは、まだまだ、いろいろある。
本の持ち方、きっちりしてね。
ページをがさがさめくらないでね。
聴かせる相手を見てね。
はっきり聴かせてね。
人前に立つゆえ、それなりの「華」を演出してね。
もっと声で惚れさせてね。
あれやこれや、
などなど。
だが本年度参加者全員に、表現の深化や、英語を母語としない子たちを対象者とする意識の覚醒があった。
それを確認できた発表会、安堵や感動でじーん……。