FAQ:「CD付英語絵本、CDをどう使う?」

昨日のFAQ「英語、聞き流すだけで上手くなる?」の続きのような質問、「CD付英語絵本、CDをどう使う?」について考える。

ここでは、英語圏の出版社が、自社の絵本用に作ったオリジナル音源のCDについて。
これらが、わたしのよく知るものなので、それの使い方を述べる。
他社が権利を買って、主に第二言語学習者向けに作った音源については、知識がないので省く。

さて使い方の前に、その質について少々。
一般的に、よく売れてきた本のCDの出来はいい。
コストをかけているので、声優とディレクターの質がいい。
例えば、ミリオンセラーズのDr.Seussのシリーズ。
アメリカのエンターテナー一流どころの声優によるものだ。
低コストのものにありがちの、ただの音読とは大違い。
プルンというか、シャキッというか、crisp。
聞き始めたとたんに別世界に入れる。

さて、質は別としてそれらCDについて。
2トラック入っているのが、典型だ。
トラック1は、read alongと称して、ページをめくるサインの音が入ったもの。
ページを区切ってあるので、一緒に読む時に追いかけやすい。

トラック2は、通しで読んだもの。
聞き流しにいい。

ここで、本とCDがセットになったものの、お勧めの使い方を紹介する

1.本を声に出して読む
指導者と一緒に、表現をつけてリードアラウドして解釈を深める。

2.CD、トラック2を2回程度流す
学習者が小学生以下の場合、親も一緒に聞く。

3.本を開け、CD、トラック1に合わせて、一緒に読む
読んでいるところを、指でなぞる。

これが、最小の「練習セット」。
あとは、2.だけ何度でも、できれば、3.も何回か。

第二言語習得論で「理解可能なインプットが習得の必要条件」とされるが、このCDの聞き方はそれにも合致しているだろう。
リードアラウドで何度も読み込めば、逐語訳こそしていないが内容理解は深まる。
その状態になって、つまり本のメッセージがおおよそ理解可能になったところで、CDを聞く。
これでこそ、文字と音がほぼ一体となって、習得がされるというわけだ。

つまり、
リードアラウドなどでを読み、内容理解を深める(理解可能なインプット)→ CD(ところどころ認知、確認) → CDと本(聞き取れなかったところの確認、文字と音が一致)……習得!!

子どもは根気が続かないから省略するが、大人なら実は、1.の前に、一過程加えるといい。
0.CDのトラック2を一度聞く
そして、すぐに1.に入ると、聞いただけではっきりせず、気がかりになったところや、気がついたことを文字で見ることで、認知して、そこで得た知識を記憶により深く刻むことができる。

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