I Want My Hat Back, オチが分からないのは大人ばかり

昨年出版された新しい絵本だが、日本の小学生3,4年生くらいの子どもとリードアラウドする機会が増えそうなのが、このI Want My Hat Back

大好きな帽子をなくしてしまったクマが、いろんな動物に尋ねてまわる話。
オチが隠されている。
これまで、子どもがそのオチを見逃した例は知らないが、大人は……何人も知っている。

(「恥ずかしいから口外しないで」と言われたが、「ペン」ならOKかな?)ある英語圏からやって来た英語の先生、この本を一読しただけではオチが分からなかったから、さあ大変。

「え、え〜?わ、わからない」
汗をかきつつ、再読。それでも、
「あれ?帽子、いったい誰がもっていたの?」
(オイオイ、先生)とわたしの心の声。
やっと3度目に、
「あ、あ〜あ、そういうこと。Ha ha ha」って。
寄席だったら、追い出されてしまいそう。

英語が母語の、おまけに英語の先生も、やっぱり普通の大人だった。
絵本理解の「反射神経」みたいなものが、退化しているようなのである。

それに対して子どもは、いくら英語が母語でなくとも、一流アーティスト(子どもの目と心を持っている)の作品である絵本をちゃんと紹介すると、難なく反射的に理解出来るのである。

芸術性の高い絵本は、それが英語だろうが、日本の子どもにも楽しめ、おまけに英語の習得に繋がる。
どう「ちゃんと紹介する」のか。
「リードアラウド」の「技」のなかに、その「ちゃんと」のヒントがあるのである。

P.S.
「アメリカ人の、英語の先生がオチが分からなくちゃ困りますよね」とわたし。
するとくだんの先生、
「あ、わたしはカナダ人。でも、『この絵本が分からなかった英語ネイティブの先生』は『アメリカ人』って書いて下さってもいいです」とのことでした。
これは、Canadian joke?

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