I’m Not Bobby!難しい1冊を小学生が

リードアラウドを柱に英語を教えてきた「生え抜き」のふたりの小学生。
現在3年目だが、I’m Not Bobby!に挑戦中。

作はJule Feiffer, リードアラウドでは定番の Bark, George!の作者でもある。

反抗期の6~9歳くらいの少年Bobbyの、独白的「口答え」で語られる物語。
家に入らないBobbyを、母、父、伯父が、それぞれ声をふりしぼり、体を張って家に戻そうとする。
その大人たちの「呼びかけ」が、だんだん叫びになり、悲鳴のようにもなるのだが、それに対して、Bobbyが「そうボビー、ボビーと呼んだって、ぼくはボビーじゃないんだから」と反抗する。

この両者の言い合い(ボビーは独白)で成り立つ本文、かなりの表現力で読まないと、内容が伝わりにくい。
黙読ではほとんどニュアンスが伝わらない、リードアラウドにうってつけの本。

ただ、主人公がその年齢なりに使う屁理屈が、英語的にちょっと高度。
大人たちの会話も、臨場感あふれるリアルなもので、英語的にこなれていて、これまた高度だ。

英語歴3年弱の小学生、4年生と2年生がこれを読んでいる。
こまかいニュアンスや解釈は4年生が早いのは、自然なことだろう。
でも、英語で書かれていることを忘れてしまうほど、4年生がごく普通に英語の意味を汲み取り解釈している姿は、感動的。

そして、2年生。
細かいことを面倒がるのが、ときに難点となるが、ニュアンスの大づかみが早く、その再現がうまい。

「Bobby!」とどなるところ、その発音やら言い回しは最高。
反抗し続けていたボビーが、しまいには空腹になって、いまいましげに言う「I’m hungry!」。
この2年生のそこだけ聞いたら、まったくのネイティブの子が空腹で怒って言っているみたいだった。

「第二言語習得」がどうのようにして行われるか。
本で読んだ仮説や理論が、目の前の子どもたちによってたどられていく。
それぞれ違った個性にも照らし、よりよい英語習得へ、ひとりでも多く導けたら本望だ。

P.S.
上記ふたりに混じって、2年目の3年生も挑戦中。
家庭学習で追い上げて来て、善戦している。
リードアラウドの指導で、家庭学習の重要性を実証。

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