いい大人がDog & Bearになってみた

私立小学校でのリードアラウド、3,4年生のクラスでは、朗読劇(Readers’ Theater)形式でやっている。
そこでの人気絵本は、Dog & Bearだ。
とぼけたイヌとクマの会話が、いい味を出している本。
年度始めに参加する回を登録するのだが、わざわざこの本を使う回を選ぶ生徒もいるほどだ。

これまで3冊出版されていて、先日の指導者向けワークショップでは3冊目のDog & Bear:Three to Get Ready を取り上げた。

前2作と同様に、3つの小話が収められている。
今回は、「to get ready(心の準備やその他の準備をする)」3話。

絵本とは言え英語で書かれているので、英語が母語でない子どもたちには、ハードルが高い。
まずは、指導する(一緒に読もうとする)大人がその本を楽しみ、それからその楽しみを伝える。
他人が楽しそうなものに、ひとは興味を持つものだ。

生き生きとした会話に楽しみが潜む。
「生き生き」を生むために、DogとBearのプロファイルを考えてもらう。
何歳?性別?ふたりの関係?性格?どこに住んでいる?などなど。

これらから、適した声や口調を決める。
そして、自分なりのDogやBearになって仲間の前で披露だ。
いい大人が、DogとBear。

それらしい声が出ているか、リアリティはあるか?
録音や仲間の耳で確認し、軌道修正。

クマが「おかあさん」みたいな声になりがちだが、クマも子ども。子どもの茫洋とした声がいい。
「エリート」っぽい、「上から目線」で話すクマでもないだろう。クマも充分、間抜けだ。
イヌと決めた声がクマになったり、クマの声のままナレーションになったりで、ひとりで3種の声を使い分けるのは難しい。
でも、分け切れていないと、聞き手が混乱するものだ。
話は「片付けたものが見つからない」程度のものなのに、最初から最後まで大仰に、まるで世界破滅のように読むと、聞き手はむずむずする。軽く、軽く。

どうも、まだ2匹のプロファイルがしっかりしていないなあ。
観念的な傾向があるようだ。

9月のWSまでに、もう一度、このクマとイヌのプロファイルを書き出して、それぞれにリアリティをもっとつけてみて欲しい。
以前にも書いたが、知っている人や俳優や役(車寅次郎とか)を当てるのも方法だ。
いろんなキャラを自分のなかに「貯金」する目的で、有名どころのTVドラマや映画を見てみたらどうだろう。
アニメの声優も、うまいもんだ。
ナレーション部分のためには、TVニュースやドキュメンタリーもいい。

渋いところで、伊東四朗さん、山崎努さん、大滝秀治さんなど名優の「爪のあかを煎じて飲む」のもいい。
(女優は日本人ではないが、やっぱりMeryl Streepか)。
ついでに、映画やTVドラマなどの新しい楽しみ方ができる。

たかが絵本朗読、されど絵本朗読。
子どもたちに楽しんでもらうためって、いい目的だと思うなあ。

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